認知症者や介護家族の支援に取り組むNPO法人「播磨オレンジパートナー」(兵庫県たつの市)が9日、専門書籍や資料約300点を集めた私設図書館「認知症ライブラリー」を開設する。診断を受けて当惑する当事者や家族のサポートを念頭に、必要な情報を提供することで安心や希望を見いだしてもらう。(松本茂祥) 同法人は、同市龍野町本町を拠点に2015年に設立。認知症者を対象にした生きがい支援や進行防止プログラムの提供、介護事業所の職員や家族向けの講座を開いて人材育成にも取り組む。 代表を務める介護福祉士の丸尾とし子さん(53)は09年、高齢者支援の住民グループ「はこべら」を結成。介護保険制度の改正に伴い、介護度の軽い要支援者向けサービスが見直される中、初期・軽度の認知症者の受け皿をつくろうと同法人を分離、独立させた。 ライブラリーの着想は、認知症と診断された人が、精神的に不安定な状態に陥る体験談を聞いたのが