大谷大(京都市北区)は大正時代から昭和初めにかけて沖縄や北海道、東北、台湾などで言語学者の北里闌(たけし)氏(1870~1960年)が録音した民族音楽や言語の音源約200点をデジタル化し、沖縄県立図書館に今月14日に寄贈した。大谷大によると、このうち沖縄歌謡などは約15点で、現地で収録され現存する音源の中で国内最古と見られ、八重山地方の子守歌「月ぬ美(かい)しゃ」、祝いの席の歌「鷲ノ鳥(わしのとり)節」や「ナカナン節」などが収録されているという。【国本ようこ】 北里氏は破傷風の血清療法を確立した北里柴三郎(1853~1931年)のいとこ。音源は北里氏が日本語の語源研究のため1920~31年に現地を訪れ録音。「蝋管(ろうかん)レコード」(直径5.5センチ、高さ約10センチ)と呼ばれる円筒形の録音媒体を蓄音機にセットし、表面に塗られたろうに溝を刻んで音声を記録した。