野球の勝敗を分ける一番のポイントは、先発投手だと思っている。ロッテは右肘を痛めていた種市が、9月28日以来の先発。負けたら終わりの試合であり、シーズン終盤から先発の駒不足で苦しんできたチームの“台所事情”を象徴するような試合だった。 23日ぶりのマウンド。種市のような伸びのある真っすぐで勝負するタイプは、右肘の不安は大きなマイナスになる。投手はリリースする瞬間、指先でボールの上を押さえ込むようにしてスピンをかける。そのため、肘に不安があると押さえ込みが不十分になって抜けてしまい、高めに浮いてしまうからだ。 1回、森に先制2ランを浴びた。打たれたのは内角の真っすぐ。高めのボールゾーンであり、これを仕留めた森を褒めるべきだが、球速は145キロで少しだけシュート回転していた。種市にとって、本来の真っすぐではない。以降は2回と3回で3奪三振。手探りで投げていた初回が悔やまれる内容だったが、なんとか