政府・自民党は、スポーツ振興くじ(サッカーくじ、toto)にプロ野球を導入する方向で検討している。収益は2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の事業費に充てる狙いがある。しかし、プロ野球界では昭和44(1969)年の「黒い霧事件」が影を落とし、八百長行為の危険性が懸念される。スポーツ政策に詳しい専大教授の久木留毅氏と、スポーツ評論家の玉木正之氏に聞いた。(神田さやか) ■「スポーツ振興の選択肢になりうる」専修大教授・久木留毅氏 −−プロ野球くじは必要か 「新国立競技場の建設に約2000億円の支出が見込まれる。財源確保の方法を現実的に考えると、選択肢の一つに野球くじがあると思う」 −−政府の予算のみでは厳しい 「スポーツ振興を支えるのは、政府予算とスポーツ振興基金とtoto。来年度のスポーツ予算は290億円。スポーツ振興費を政府のみで増やすのはかなり難しい