石油元売りで国内2位の出光興産が、英・オランダ系石油会社ロイヤル・ダッチ・シェルから、国内5位の昭和シェル石油の株式の約3割を取得する方針を決めたことが30日、明らかになった。取得額は1000億円超となる見込み。出光は昭和シェルの筆頭株主となり、経営統合に向けた協議を本格化させる。国内の石油市場は縮小が続いており、再編による規模拡大で生き残りを目指す動きが加速する。 出光と昭和シェルの直近の売上高を合計すると7兆6000億円となる。両社の統合が実現すれば、首位のJX日鉱日石エネルギーを傘下に置くJXホールディングスの10兆9000億円に迫り、国内の石油業界は実質的な2強体制に集約される。 国内の石油需要は、少子化や低燃費車の普及を背景に今後も減少が続く見通し。経済産業省は、元売り各社の経営効率改善に向け、製油所の再編を促してきた。