肺がんの疑いがあるにもかかわらず、1年間放置されていた医療ミス。検査で異常が見つかりながらも、結果が患者に伝えられずに適切な治療を受けられなかった例は過去にもたびたび起きている。 名古屋大学医学部付属病院(名古屋市)は昨年12月、肺がんの疑いがあると指摘された検査結果を主治医が確認しなかったため、80代の女性が3年にわたって放置されていたと発表。治療が遅れた女性は死亡した。 同大病院は昨年9月にも、肺の画像診断で肺がんを見つけたとの情報が担当医に伝わらず、50代の男性患者が約2年後に死亡したと発表したばかり。平成20年にも、口(こう)腔(くう)がんの疑いがあると診断した30代患者を約3年間放置していたことを公表している。 医療事故に詳しい「医療過誤原告の会」の宮脇正和会長は「今回、慈恵医大病院は自ら見落としがあったことを患者に説明し、謝罪したが、同様のミスは全国の大病院で起きているだ