ミャンマー東部の集落で、政府軍との戦闘の合間につかの間の休息をとる少数民族の兵士ら=2011年11月3日、岩佐淳士撮影 【ライザ(ミャンマー北部カチン州)で岩佐淳士】民主化運動に携わった政治囚を釈放するなどアウンサンスーチーさん率いる民主化勢力との和解を進めるミャンマーのテインセイン政権。東南アジア諸国連合(ASEAN)の14年議長国就任が内定し、国際社会からも「民主化の進展」と評価を受けるが、一方で自治権を求める少数民族への弾圧を強めている。政府軍と少数民族との衝突が続く国境地域では、避難民が2万人を超えた。現地に潜入し、「民主化」に置き去りにされた人々の届かぬ声を拾い、この国の知られざるもう一つの顔を追った。 「武器はどこだ。地雷はどこに埋まっている」。ミャンマー政府が政治囚約200人を釈放した4日後の10月16日、中国国境カチン州。少数民族カチンの人々が住む人口約9000人のナムサン