東日本大震災の発生から2カ月が経過した。現在、被災地の避難所では震災直後の救急医療だけでなく、糖尿病や高血圧などの慢性疾患への治療に対する医療ニーズが高まっているという。避難所にかかりつけの医師がいて、被災者のカルテ情報があればすぐに適切な処置ができる。しかし、避難先にそうした情報があることは少なく、また患者自身がそれらの情報を正確に把握しているケースも多くないだろう。 今回の震災では、多くの医療機関も被災した。中には、紙カルテを津波で流されてしまったり、院内に設置した電子カルテシステムが水浸しになるなど患者情報を紛失してしまった医療機関も存在するという。そのため、避難所の診療では問診から始まり、必要に応じて検査を実施して禁忌薬やアレルギーを考慮した上で処置を行うなど時間がかかることもある。 こうした有事の際、医療情報はどうあるべきなのか? 現在、政府や関連団体が中心となり、全ての国民の医
![災害時に患者の診療情報はどうあるべきか?](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ee3292a12d3fe3b309597f0d13f0a9bcaa770eb3/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimage.itmedia.co.jp%2Ftt%2Fnews%2F1105%2F13%2Fjo_110513_med1.jpg)