ウクライナ東部ドネツク、ルガンスク両州の親ロシア派が「国家としての自立」を問う住民投票を強行してから11日で1カ月がたった。親露派は「自立」が圧倒的多数で支持されたとして政権側との戦闘を続けるが、町は荒廃して犠牲者が増加。2州の「共和国」政府は機能せず、親露派の間でも失望が広がり始めた。 「自立を願って投票したけど、人が住めない場所になってしまった」。ドネツク市に住む親露派、ニコライさん(26)は目の前の現実に頭を抱えた。 破壊されずに残ったスーパーは武装勢力や住民の略奪に遭い、警察も機能していない。人々は次々に町を出ていく。「大多数は共和国なんてもうやめたいと思っている。親露派内にも分断が出来つつある」。 東部では抑圧的な空気がまん延し、脱出した住民の間には「もう故郷には帰れない」との嘆きが広がる。(共同)