インドのワーラナシーという町がある。 バラナシ、かつてはベナレスと呼ばれたりもした。 ガンジス川沿いに位置するヒンドゥー教の一大聖地として有名な町だ。 僕のような旅行者のみならず、インド中から多くの巡礼者が訪れる。 路上には多くの物乞いがあふれ、旅行者を狙う怪しげなインド人たちのギラギラとした目がこちらを値踏みしてくる。 毎朝行われる信者たちの沐浴。神聖な空気が一層増してゆく明け方のガンジス川。 そんな町で僕は毎日川沿いの焼き場に通って死体が焼かれていくのを見ていた。 白い布で巻かれた死体が組上げた薪の上にのせられて焼かれていく。 まわりは僕と同じようにただボーっとそれを見つめているインド人たち。 物珍しさを隠すことなく好奇心を顔いっぱいに浮かべて人が焼かれるのをながめる外国人たち。 死体からプシューっとガスが抜けるような音。 ジューっと肉汁の焼ける音。 周囲には肉や脂そのものが焼ける匂い
![[ま]僕は死体が焼かれるのをただ見つめ続けていたんだ @kun_maa - [ま]ぷるんにー!(พรุ่งนี้)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0edee8204bfd92901dc4c67236d365ce9b59ddc6/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Fk%2Fkun-maa%2F20160517%2F20160517195927.jpg)