新井さんお手製のケーキをいただきながら 数学基礎論の話はつづきます。 (ケーキは「ミンスミート」。 干しぶどう、干しいちじく、干しプルーン、 自家製オレンジピールなどをスパイスとお酒と いっしょに1年漬けて熟成させたものだそうです) 新井 数学の危機に話を戻すと、 さっきお話したように、 数学者たちはすごく困ったんです。 それで、2千年さかのぼって、大元のもとから 「これって正しいよね、これって正しいよね」と、 ひとつひとつ洗い直していったら、 機械にもわかるぐらい精密な、 「数学とは何か」っていうことの 学問体系ができていったんですよね。 糸井 物事がややこしくなったときに、 「機械にも分かるぐらいに解きほぐす」っていう発想は あらゆる場面でされますね。 新井 そうかもしれませんね。 糸井 でも、それが逆に命取りになる場合がある。 新井 良い面と悪い面が出ますね。 で、コンピュータの原理