自民党総裁選が本番を迎える中、退陣を待つばかりのはずの菅義偉・首相が俄然、行動的になっている。このまま引き下がる男ではない──。 【写真】当初は有利だと言われていた河野太郎氏、だんだんと岸田氏に追い詰められてきた 後手後手だと批判されたコロナ対策では、「ワクチン・検査パッケージ」という出口戦略を発表。希望者にワクチンが行き渡る「今年11月頃」から、飲食店の営業時間やイベント人数制限を緩和し、県をまたぐ移動の自粛を解除して国内旅行を解禁する方針を打ち出した。 外交面でも、首相は9月下旬に訪米して日米豪印の4か国首脳会議(クアッド)に出席する予定だ。 「新型コロナ対策に専念したい」 その言葉を実践しているように見えるが、菅首相の心象風景は全く違う。官邸の菅側近が言う。 「総理を突き動かしているのは安倍晋三・前首相と麻生太郎・副総理の2Aに対する怒りだ。総理の座から引きずり下ろされた仕打ちは絶対