企業の経営陣のジェンダーバランスに対して株主から厳しい目が向けられています。取締役全員が男性だというある大手企業。ことし3月に行われた株主総会では、経営トップが過半数ぎりぎりの賛成で、かろうじて取締役に再任されるという異例の事態となり、企業の間に衝撃が走りました。いったい何が起きているのか。背景を探ります。(経済部記者 加藤ニール) 大物経営者が僅差で再任 衝撃走る 27年以上にわたって経営トップを務める御手洗冨士夫・会長兼社長CEO(87)の取締役再任を求める会社提案に賛成した株主の割合は50.59%にとどまりました。 再任に必要な過半数ぎりぎりで、まさに薄氷を踏むような結果でした。 御手洗氏は経団連の会長も務めた大物経営者です。それだけに株主総会のシーズンを控えた企業の間には衝撃が走りました。 なぜこのような事態になったのか。 理由の1つはジェンダーバランスに対する株主の厳しい目です。