戦時標準船(DWT 11,000トン貨物船、リバティー船)のスケネクタディ(Schenectady)号(T-2タンカー) 米国は第二次世界大戦遂行のための国家プロジェクトとして、全溶接の戦時標準船(DWT 11,000トン貨物船、リバティー船)の連続ブロック建造を計画し、日米の太平洋戦争突入を機に、1942年から本格生産に入った。 リバティー船は1939~1945年の6年間で2,708隻が建造された。1946年4月1日までに、リバティー船の脆性破壊の損傷と事故が1,031件も報告された。そのうち200隻以上が沈むか、または使用不能という重大な損害を受けた。スケネクタディ号はその1隻で、岸壁に係留中に突如大音響とともに船体が真二つに折損した(図2参照)。 原因は鋼材の溶接継手の破壊靱性の不足による脆性き裂の発生と進展である。この大量の事故は、正に高価で壮大な世紀の大実験と言えるものだった。米