広報発表では“被害者”、社内処分では“加害者”でよいのだろうか?〜カバンの置き引きは被害? 過失? セキュリティ特集 トップページ (須藤 慎一=ライター) 個人情報の入ったパソコンや記録メディアを紛失した企業の情報公開が進んでいる。漏洩した個人情報が悪用され、被害が拡大するのを防ぐために重要なことである。 理解に苦しむ発表もある。「盗難の被害に遭った」にも関わらず「社員を厳正に処分する」と言うのだ。盗難ではなくて、実際は置き忘れだったことが透けて見える発表である。 最近は、ITセキュリティのトラブルを「軽く」見せる発表が減リ始めた。事実通り発表しても被害者が“納得”するセキュリティ対策を、企業が模索し始めたのだ。 酔っ払って網棚に置き忘れたのに「盗難」 退社後に飲み屋で痛飲した社員が、帰宅途中の電車の網棚にカバンを置き忘れた。翌朝、自宅で気がついて鉄道会社などに連絡したもの