2010年1月25日更新。 ギャルゲー一般の立ち絵演出の起源において、立ち絵はキャラを表し、背景は状況を表す書割だった。キャラとの関係性を重視するギャルゲーにおいて、重視されるべきはキャラとの関係であり、キャラがどのように振舞うかであった。まるで中世の宗教画のように、物語の文脈の中で重要なキャラは前景化し、そうでないキャラは後景化/フェードアウトする。そのさらにうしろに、書割としての背景が存在する。そのような形式が、かなり長期間用いられてきた。これを究極的に推し進めると、Liar-Soft「Forest」のように、書割とキャラが完全に分離した演出手法となる。 しかしながら、やがて立ち絵演出の中にも遠近法が――物理的な意味で近くにいるキャラは前景化し、遠くにいるキャラは後景化するという方法論が部分的にも用いられるようになる。これは、基本的にはプレイヤーの「視点」がひとつに――そのアバターたる