EPUB-WEBは今後の電子出版の方向性を示す重要な取り組みになるかもしれない。 先日のエントリを書いた際に、少しだけ触れたEPUB-WEBについて、もう少し詳しく述べておくことにする。 Digital Publishing Interest Group(DPUB IG) EPUB-WEBは昨年、Digital Publishing Interest Groupの活動の中で提唱されたビジョンだ。 Digital Publishing Interest GroupはW3CのInterest Group(IG)のひとつ。 IGは特定の専門分野における利害関係者の要件やユースケースを収集することを目的としたグループ。仕様の勧告は行わない。 共同議長の一人としてIDPF(EPUBを作っている団体)のCTOであるMarkus Gylling氏が就任している。 メーリングリストに参加するには件名を「s
我々は様々なサービスやデバイスを通じて、デジタルリソースに対してコメントなどの付加的な情報を日々付与しています。ウェブサイトにはソーシャルブックマークサービスを経由してコメントが大量につけられていますし、Flickr、Youtube、ニコニコ動画などのWebサービスが抱えるリソースに対して大量のコメントが付与されています。Twiiter、FacebookなどのSNSはリソースに対する付加的な情報の付与に特化したサービスといってもよいかもしれません。昨今の電子書籍ビューワーでは、ハイライトやコメントの付与する機能は当然のように備えていますし、電子書籍プラットフォームでは「ソーシャルリーリング」という名前のアノテーションサービスが提供されています。 どのサービスもあるリソースに対する付加的な情報を他のユーザーや他のデバイスと共有することを目的としています。しかし、残念ながら共有できるのは、プラ
2012年6月5日 クックパッド株式会社 プロのレシピが購入できる「レシピストア」オープン 〜有名料理家・シェフのレシピがクックパッドに登場〜 クックパッド株式会社は、プロの料理家・シェフのレシピを購入できる「レシピストア」(http://cookpad.com/recipe_sets)を6月5日(火)より開始します。オープン時には有元葉子さん、ウー・ウェンさん、落合務さん、陳建一さんなど、多くの家庭から支持を集める人気料理家や有名シェフのレシピが600以上登場し、今後も順次追加される予定です。 今後も多くの出版社、有名料理家・シェフにご参加いただき、既に出版されているレシピ本からのレシピはもちろん、新たなレシピについても購入できるよう、魅力的なコンテンツを拡充していきます。 ◆サービスのイメージ ◆サービスのポイント レシピストアでは、有名料理家・シェフのレシピ本から20品のレシピを抜粋
皆大好きクックパッドさんがシェフのレシピの有料販売やっていることを知りました。「料理家・シェフのレシピ本からおすすめレシピ20品セット」を買って、「購入すると、あなたのMYフォルダにレシピを追加」し、「どこにいても料理名や材料から検索できてとっても便利♪」なんだそうです。 レシピ検索No.1/料理レシピ載せるなら クックパッド まあだから考え方としては電子書籍販売のニュアンスに近いと思うのですが(料理家・シェフのレシピ本からおすすめレシピ20品セット、ってのは書籍を再編集して電子書籍化という構造だと思うので)、クックパッドのサービスに組み込まれてシームレスに使える、というのが味噌ですよね。電子書籍と言えば、どちらかというと、出版社とメディア企業と通信事業者がプレイヤーで、まあご覧の状況なわけですが、クックパッドのプラットフォーム企業としての立ち位置を活かしたアプローチだなあと思います。これ
ザ・インタビューズ>久保内信行へのインタビュー「あれってどう? なんかある?」 電子書籍やアプリなどで神媒体が電子化される流れが強まってきていると感じますが、久保内さんはこの現状で、紙媒体、電子媒体などでライター、編集者は何が求められているとお考えになりますか。 神媒体w まあ俺もツイッターとかインタビューズでは一切校正しないし、みかえしもしない、一筆書きなのでいいですけど。 そうですねえ、赤松健さんとかの活動は興味深く拝見してますが、印税収入がメインの作家的な 前提があるので、俺はその方面での権利整備がされればいいですねと好意的に見てはいます。 が、雑誌などの原稿料収入が結構な割合になっている俺的には、その方面での権利整備は必ず しも、現在でもライターや編集者の主流であるマガジン・雑誌形態も解決するかと言われると、難し いなあと感じているっていうのが、正直なところです。 逆
MLA(Modern Language Association)が3月2日付けで、英語論文におけるツイートの正しい引用のしかた(正書法)についてFAQとして公開していました。英語論文を執筆するときには、標準的なスタイルガイド(執筆要項)に従って記述していくことになりますが、そのスタイルガイドの代表がMLAスタイルとAPA(American Psychological Association:米国心理学会)スタイルです。 ● How do I cite a tweet?|MLA [2012-03-02] http://www.mla.org/style/style_faq/mlastyle_cite_a_tweet MLAが推奨するツイートの引用書式は、次のとおりです。 ラストネーム, ファーストネーム ( Twitterユーザー名 ). "ツイート本文." 日付, 時刻. Tweet. も
結論からいうと、もう「情報それ自体を売る」ことはできませんよ、という話だ。新聞社・出版社・音楽会社・映画会社等々、「情報それ自体を売る」ことを生業にしてきた人たちは、そろそろ商売替えをする準備をしたほうがいい。 情報は、本質的にカネとは相性が悪く、直接、カネとは交換できない(つまり売ることはできない)。カネはモノと同じく排他性をもっているが、情報には排他性が全くなく、カネと情報は根本的に異質なものだからだ。 今日のエントリーはこの論旨を理論的に説明していく。評価経済論の骨格をなす概念なので、興味のある方はぜひ読んでみてほしい。 モノ・サービス・情報、そしてカネ 経済とは、人間にとって価値のある何かしらを生産・分配・消費する過程のことである。 (「カネを媒介としない新しい経済ー21世紀の評価経済論」の図に一部加筆。(5)で禁止マークがカネと情報が直接交換できないことを指し示している) 経済に
2011年振り返り あけましておめでとうございます。技術評論社の馮です。2012年を迎えました。昨年の日本は、3月の東日本大震災という大きな、そしてとても悲しい出来事を経験しました。そこで、改めて物質的な価値、それに対するデジタル化、インターネットの重要性について考えさせられる一年でもありました。 電子出版に関しては、2010年を元年と捉えると昨年が2年目で、過去何度かあった「電子出版の元年」と比較して、(比較的)前に進んだ2年目だったのではないかと思います。 具体的には、2010年後半から始まったさまざまな電子書籍販売サイトにコンテンツが集まりはじめたり、また、iPhone/iPad向けにストア型アプリによるコンテンツ配信が増えました。 一方で、昨年書いた「2011年の電子出版ビジネスはどうなる?」で書いた、GoogleやAmazonの動きについては、日本国内では大きな進展はありません
どもです。風の噂に聞いたところによると、年末のコミケでサークル敷居亭の新刊『敷居亭の混沌』が発売されるそうなので、ちょこっと記事作成を手伝った者として告知&宣伝をしてみようと思います。 http://d.hatena.ne.jp/sikii_j/20111223/p1 いやあ、敷居さんがスカイプで書けない書けないと泣き言を言っていたときはもうダメかもしれんねと思いましたが、結果としてはいつものように無事印刷にこぎつけた模様。どうして毎回毎回ぎりぎりのスケジュールなのに締め切りに間に合うんだろう。何? 魔法? いやたぶん、何か怪しげな邪神あたりに貢物でも捧げているのだろうと思いますが、オカルトの深淵を覗くことはやめておくとして、本題に入りましょう。 この本でぼくは「「小説家になろう」座談会」という企画に参加させてもらっています。ついでに座談会注釈の大半もぼくが書いているのですが、経緯をご存知
ウェブは進化している。そう思っている人が、たぶん多いのでしょう。確かに、15年前の素朴なウェブページと今のものとはいろいろ違って見えます。 しかし、ウェブの根本的な考えである「ハイパーテキスト」という機能の面から見ると、ウェブの登場以来、あまりというかほとんど進化していないように思えます。 ハイパーテキストを提唱して有名なのはテッド・ネルソンです。著書『リテラリーマシン』は日本語にも翻訳されています。ウェブの開発にもネルソンのアイディアが影響していると何かで読んだことがあります。しかし、ネルソンが構想していたものに比べると、ウェブで実現されているハイパーテキスト機能は貧弱なものです。 例えば、ウェブで他の文書を引用するときには他のページからコピー・アンド・ペーストするという原始的な方法をとります。一方ネルソンの唱えるハイパーテキストでは、高度なリンク機能を使って、コピーではなくオリジナルの
先日phaさんの「電子書籍とブログって何が違うの?」という文章を読み、最初そのタイトルに違和感を覚え、そりゃ全然違うだろうと内心突っ込んだのですが、よくよく考えるとそうとも言えない。思えばこのタイトルと同じ問題意識を何度も文章にしている人を自分も知ってるじゃないかと思い当たりました。それは『クラウド化する世界』などの著書で知られるニコラス・G・カー(Nicholas G. Carr)です。 phaさんが問題としているのは主にコンテンツの流通と課金ですが、カーはそれだけでなく本を本たらしめるものは何か、それは電子書籍によってどう変わるのかということにフォーカスしており、こちらのほうがより普遍的な問題でしょう。本文ではカーの文章を紹介しながら「本」と「インターネット」の間の一線について考えてみたいと思います。 本の「アプリ」化 まずiPad発売と同時期に書かれた「The post-book b
祝・iPad2発売 「今年こそは電子書籍元年だ」というフレーズがもう何年にもわたって繰り返されていて「元年何回あるんだよ」的な状況の日本なのですが、さて2011年はどうなるんでしょうか。とりあえず、日本でも4月27日に発売されたiPad2はいいですね。初代iPadより薄く軽く動作も軽快になり、快適で手軽にウェブや書籍や音楽や映像などさまざまなマルチメディア体験を楽しむことができます。僕は貧乏無職で買うお金なんてないので全部聞いた話ですが。どっかに100枚くらいiPad2買って余りまくってる人がいたら1枚くれないかなとそんなことばかり考えています。まあそんな話はどうでもいいとして、果たしてiPad2は日本における電子書籍の普及を後押しするのでしょうか。 しかし、僕みたいに普段からネットをベースに生活していて日常的にブログで文章を書いたり読んだりしている人間から見ると「そもそも電子書籍って何な
ネット時代にコンテンツ業界がどう対応するかは、映画、アニメ、ゲーム、音楽、書籍、マンガなど、いずれのコンテンツの世界であっても課題になっている。 課題というのはおもにどうやってネット時代に収益をあげるかをみんな悩んでいるわけだが、そもそもネット時代にはコンテンツのフォーマットそのものも見直す必要があるのではないか、こんなあたりまえのことをあたりまえにいってくれたのが大塚英志(敬称略)だ。 技術者であってもネットサービスの開発に携わるのであればマーケティング的な能力は問われるから、人文書を読むべきだと最近主張している僕だが、とりわけ大塚英志はおすすめの批評家だ。 批評家の書く本がビジネスに役に立つとして、その効用はふたつある。ひとつは世の中に起きている現象をどうやって理解すればいいかを整理できること。もうひとつは世の中で起きている現象をどうやってコントロールすればいいかのヒントをくれることで
だよなあ、と今更ながら改めて思ったり。 別に専用のビューア(ハード・ソフトを問わず)がなくても、無料・有料を問わず、もうとっくに電子出版は成り立ってるじゃないか。紙の出版物、という従来の制約を破って、電子およびネットワークの特性を生かしたものとして。 書籍とは「書物。本。図書。しょじゃく。」である。 雑誌とは「雑多な事柄を記載した書物。」だったり「複数の筆者が書き、定期的に刊行される出版物。週刊・月刊・季刊などがある。マガジン。」である。 いずれも「デジタル大辞泉」より引用。gooで検索。 複数の著者が起こした文章をまとめ、それを興味ある人にメールマガジンでみてもらうのは雑誌ではないのか。 blogに毎日撮った写真を掲載しながら考えを書いて、それを誰かに見て貰うのは写真とともにエッセイを綴った書籍ではないのか。 そう考えた。 さらには、メルマガもblogも、無料ではなく、課金して配信するこ
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)最大手の米フェイスブックが、電子書籍の技術を手がける新興企業を買収したことが話題になっている。 フェイスブックが電子書籍の事業に進出するのではという話題で持ち切りだが、実はそうではなさそうで、同社はこの企業の、双方向性に富んだユーザーインターフェース技術をサービスに取り込みたい考えのようだ。 買収したのは、2010年に米サンフランシスコで創業したプッシュポッププレス(Push Pop Press)という企業。 創業者の2人は米アップル出身の技術者で、「アイフォーン(iPhone)」や「アイパッド(iPad)」、マック(マッキントッシュ)の基本ソフト(OS)のユーザーインターフェースなどを手がけていた。 「次世代の電子書籍」と評価される 同社は高い技術力を持っており、今年2月に開催されたあるカンファレンスで突如として注目されたが、それまではまる
The “book” is dead [dive into mark] JavaScript: The Definitive Guide Sixth Edition pdf download ebook - davidflanagan.com オライリー JavaScript本(通称サイ本)の作者、David Flanaganのブログに関して、Google社員のMark Pilgrimが反論している。 オライリー JavaScript 第5版の作者である、David Flanaganが書いている。 この15年というもの、私は成功した作家の一人であった。自分と家族の食い扶持を、本の印税収入だけで得ることができたのだ。しかし、出版業界は斜陽であり、私の印税収入も、ドットコムバブルの崩壊よりこのかた、下がる一方である。私は、サラリーマンとしての就職口を見つける必要があると結論した。 15年という
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く