記者の質問に答える、玉木林太郎国際金融情報センター理事長=東京都中央区で2024年5月23日午後2時15分ごろ、加藤美穂子撮影 円安が進み、政府・日銀が為替介入に踏み切った日本経済をどう考えるか。2011年3月の東日本大震災直後、主要7カ国(G7)による協調介入に踏み切った経験を持つ元財務官で、経済協力開発機構(OECD)事務次長も務めた玉木林太郎・国際金融情報センター理事長に聞いた。【聞き手・加藤美穂子】 円安は「付加価値の低下」 為替相場は、経済活動の中の一つの変数で、さまざまな他の経済現象と密接に絡まっている。他の政策と切り離して為替だけ取り出して、円安の原因を議論することには意味がない。 今の円安が日本にとってマイナスかどうか。ざっくり言えば、その国の通貨が安くなることは、その国が生み出す労働や資本、技術の付加価値が安くなるということだ。日本人が安く働いて作ったモノを、外国人が安い