自己紹介 金谷譲(かなたに じょう)。(共)著書・訳書『アイオワで考えたこと』、『中国人と日本人 ホンネの対話』シリーズ、、『対中国戦略研究報告書』、『中国民主活動家チベットを語る』『チベットの核』ほか。
![謝惠貞 「中国新感覚派の誕生 劉吶鴎による横光利一作品の翻訳と摸作創造」 - 書籍之海 漂流記](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/df3a50c14b465108d37d0f484920317dd74971fb/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fu.xgoo.jp%2Fimg%2Fsns%2Fblog.png)
『親衛隊士の日』(河出書房新社)刊行とウラジーミル・ソローキン氏来日を記念して、ウラジーミル・ソローキン氏、翻訳家であり映画評論家の柳下毅一郎氏、そしてソローキン氏の小説『青い脂』『親衛隊士の日』を翻訳された松下隆志氏によるトークイベント「文学破壊者と語る夜」が開かれた。独特で強烈なソローキン氏の小説はいかにして書かれているのか。貴重なトークイベントをここに記録する。(通訳/北川和美、構成/金子昂) 柳下 本日はロシアの作家であり、昨年に『青い脂』(河出書房新社)、今年に『親衛隊士の日』(河出書房新社)が日本で翻訳出版された<文学破壊者>のウラジーミル・ソローキンさんをお迎えしました。進行を務めさせていただきます翻訳家の柳下毅一郎です。 松下 北海道大学院生の松下隆志です。縁があって尊敬する作家であるソローキンさんの『青い脂』と『親衛隊士の日』を翻訳させていただきました。よろしくお願いしま
古書店「書肆吉成」の店主である吉成秀夫さんが『アフンルパル通信第7号』(2009年3月10日発行)を私の不在中に研究室に届けてくれた。扉の下のわずかの隙間から部屋の中にそっと滑り込ませて。 この最新号に関口涼子さんの「舌の下でゆっくりと溶けていく言葉」が掲載されている。それは「誤訳」にまつわる二つの体験に基づく斬新な翻訳論のエッセンスとでもいうべき内容である。実はその二つの体験のうちの一つが、一昨年に私が指摘したこと(「舌の下に」)に関わるということもあって、吉成秀夫さんは多忙の中わざわざ届けてくれたのだった。 関口さんはこう書いている。 翻訳者は、様々な間違いをする。誤訳の種類、誤訳としてしまう理由は様々だが、私はした多くの間違いの中でも、とりわけ後まで残り、翻訳とは何かを考える種になった誤訳があった。アフガン作家、アティーク・ラヒーミーの『灰と土』を和訳したときのことだ。小説の最後に、
紀(き)の国(くに)の三輪(みわ)が崎(さき)に大宅竹助(おおやのたけすけ)と云うものがあって、海郎(あま)どもあまた養い、鰭(はた)の広物(ひろもの)、狭(さ)き物(もの)を尽して漁(すなど)り、家豊(ゆたか)に暮していたが、三人の小供があって、上の男の子は、父に代って家を治め、次は女の子で大和(やまと)の方へ嫁入し、三番目は又男の子で、それは豊雄(とよお)と云って物優しい生れであった。常に都風(みやび)たる事を好んで、過活心(わたらいごころ)がないので、家の者は学者か僧侶かにするつもりで、新宮(しんぐう)の神奴(かんぬし)安部弓麿(あべのゆみまろ)の許(もと)へ通わしてあった。 それは九月の末のことであった。豊雄は例によって師匠の許へ往(い)っていると、東南(たつみ)の空に雲が出て、雨が降って来た。そこで、豊雄は師匠の許で、傘(おおがさ)を借りてかえったが、飛鳥(あすか)神社の屋根が見
翻訳に潜む魔物に魅せられて悪戦苦闘しながらも、同時にそこからこの上もなく大きな喜びを得てきた著者が、自身の軌跡をたどりつつ、文学との出会いや楽しみ方、翻訳をする際の心得や… 翻訳に遊ぶ [著]木村榮一 翻訳者ほど文学に奉仕する者はいない。異なる言葉を生きる書き手と読者をつなぐ大切な架け橋。橋から見える風景にひたすら心奪われている僕らではあるが、ふと足下の深淵(しんえん)に気づき、橋に畏敬(いけい)と感嘆の念を覚えることがある。 ガルシア=マルケスの『コレラの時代の愛』、バルガス=リョサの『緑の家』、ボルヘスやコルタサルの短篇(たんぺん)集などスペイン語文学の傑作を次々と翻訳してきた木村榮一というこの巨大な橋はどんな構造をしていて、どうやって作られたのだろうか? さぞやハイテク満載の橋かと思いきや、これが職人の手になる実に人間臭いものなのだ。『罪と罰』を読んだとき、榮一少年は作品から発する「
1 翻訳という仕事 もしかしたら年齢を重ねることにも多少は良いところもあるのかもしれない。 そう思うのは若い頃より「自分」というものに慣れ、仕様書のようなものを手に入れた気もするからである。 自意識あるいは自尊心は大変厄介な代物で、手に負えない悍馬といった趣があるが、経験というのはありがたいもので、そうした手強いものにもある程度は慣れさせてくれるのである。まあ、慣れるというより、諦めると言ったほうが実情に近いかもしれないが。 しかし、反面、自意識の希薄化は人をむやみに饒舌にさせるらしく、自分のことを考えると明らかに若い時分より口数が多くなっている。たぶんみんなこうして頑固で口うるさい爺さん婆さんになっていくのだろう。 さて、一箇月の連載エッセイという貴重な場を頂いたので、この場で翻訳とその周辺にあるものにたいして、腹蔵のないところを綴らせていただこうと思う。なるべく役に立つことを書きたいと
映像翻訳者育成スクールや翻訳の受発注に加え、国内外からのインターン受け入れやイベント主催等、多種多様な取り組みをしているJVTA。JVTAのことがよく分かる注目トピックスをピックアップしました!
ネットベンチャーのエニドア(東京都千代田区)は1月11日、ユーザーが多数のアマチュア翻訳者に対してテキストの翻訳を依頼できる“ソーシャル翻訳”サービス「コニャック」の全面リニューアルを実施したと発表した。料金体系を見直したほか、ユーザーが翻訳者を「ブラックリスト」指定できる機能などを追加した。 コニャックは、ユーザーがメールやブログ、ECサイトの文章など任意のテキストの翻訳を、サイトに登録しているアマチュア翻訳者に依頼できるというサービス。翻訳依頼は約5000人(1月現在)の翻訳者にメールで一斉通知され、先着で2人の翻訳者が翻訳した結果がユーザーに返ってくる――という仕組みだ。対応言語は英語や中国語、ロシア語など47言語。 従来は1文字当たり約1円(日本語→英語の場合)という料金体系だったが、今回のリニューアルに伴い新たに共通通貨「クレジット」を導入。ユーザーは1クレジット=2ドルから購入
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