完全失業率によって雇用情勢を判断する場合、不況時に就業意欲を喪失し労働市場から退出する者が発生することで、完全失業率が低下し、雇用情勢の悪化を過小評価することがある。この効果(就業意欲喪失効果)を補正し、完全失業率とは異なる方法で推計した「真の失業率」を最新のデータを加えて更新した。 真の失業率は、2012年半ば以降順調に低下している。震災後、真の失業率と完全失業率(公表値)の間の幅には広がる傾向がみられ、これは、雇用情勢が改善期にあるにもかかわらず乖離が大きくなっている点でこれまでとは異なる特徴であることを前回指摘したが、その後は、この乖離傾向が抑制され、景気回復期の通常の傾向を示すようになっている。 4月の完全失業率(季節調整値)は4.1%と前月と同水準であったが、労働市場の動向は、失業率の見かけ以上に改善傾向であることが窺える。 なお、今回から、グラフのバックデータについても公開する