昨日、小塩先生の本を読んでいて、ちょっと気になったのは、年金の賦課方式と積立方式では、貯蓄が多くなる分だけ、積立方式がマシというくだりだった。別に、小塩先生に限らず、経済学者は、貯蓄が多ければ、投資が増え、成長が高まると、ナイーブに考えがちだ。ここなんだね、教科書と現実を分ける差というのは。 例えば、日本にカリスマ的指導者が現れて、一気の消費増税に成功したとしよう。そうすると財政赤字が減って、政府が使う貯蓄が少なくなり、貯蓄が余ってしまう。このとき、国民が貯蓄をやめて消費を増やしたり、企業が政府に代わって貯蓄を使い、設備投資を増やすなら、何の問題もない。貯蓄=投資の均衡が保たれるからだ。 しかし、どうだろう。政府が一気の消費増税をしたときに、国民が消費を増やし、企業が設備投資を増やすと、どれほどの人が信じるだろうか。むしろ、起こることは、その逆と予想するのではないか。これが現実なのだが、経
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