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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/keisai-dousureba (5)

  • 経済思想が変わるとき 4 - 経済を良くするって、どうすれば

    現在の経済学は、「利益を最大化するよう合理的に行動すること」を理論の大前提としているために、「金融緩和さえしておけば、それに従って設備投資がなされるから、消費増税で需要を抜いても構わない」という見解になっている。むしろ、増税で財政赤字を減らそうとすることが金利を安定させ、成長を助けるくらいの感覚である。 しかし、実際には、需要リスクがあると、設備投資が控えられ、不合理にも機会利益は捨てられてしまう。利益を最大化するより、大きな損失を被る事態を避け、生き残ることを優先するためである。したがって、金融緩和に消費増税を組み合わせるに至ったアベノミクスは、失敗する可能性が高い。その時、どんな思想に拠って失敗したかを看過してはなるまい。そうでなければ、我々は、失敗で多大の犠牲を出しながら、何の教訓も得られないことになる。 ……… 前回は、需要リスク下の経済学ということで、「需要リスク>0」の場合、す

    経済思想が変わるとき 4 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 日本に残った最後の道しるべ(終) - 経済を良くするって、どうすれば

    今日まで6回に渡って消費増税をソフトランディングさせる戦術を考えてきた。それで分かったことは、①消費増税のショックを相殺しようと、公共事業を打とうにも、復興事業の剥落があって、その埋め合わせがせいぜいで、助けには成り難いこと。②消費増税と復興増税を重複させないためには、先頃、明らかになった2011年度決算剰余金を財源に、復興増税を先送りにする必要があること。 ③年金削減と重複させないためには、それを見送るのも仕方ないこと。④消費増税の駆け込み需要と反動減を軽減するには、住宅取得への課税を半年程度遅らせるべきであること。以上の4つであった。これらは、1997年の消費増税の際、全体を見ずに同時多発的に緊縮を行い、駆け込みと反動を甘く見て十分な対策を怠り、日経済の構造まで壊すに至った反省に基づくものである。 残念ながら、日の財政当局は、まったく反省していないため、15年前と同じ過ちを繰り返す

    日本に残った最後の道しるべ(終) - 経済を良くするって、どうすれば
  • 震災における経済運営の検証 - 経済を良くするって、どうすれば

    各紙とも追悼一色だが、日経には、経済運営の検証をしてほしかった。まあ、恥ずかしくて、とてもできないのだとは思うが。しかし、大災害の際に、どんな経済運営が必要かは、今後の貴重な教訓になるはずである。2/14にも若干書いたが、今日は、日経になり代わって、筆者が検証することにしたい。 経済運営の結果は、先日、GDPの二次速報が公表されたので、実質暦年で前年比較が可能である。これを見ると、公的資形成は、21.5兆円から20.7兆円に「減少」している。政府消費は2.1兆円増加しているが、2009年、2010年も、このペースで伸びてきており、震災対策で特に増やしたとは言えない。つまり、震災に際して、政府は何もしなかったということである。その結果は、マイナス0.7%成長であった。 2011年の経済を支えたのは民間消費だった。マイナス成長の中で踏みとどまり、わずかながらプラスを確保している。さて、震災が

    震災における経済運営の検証 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 東大が「日比谷」化する日 - 経済を良くするって、どうすれば

    今日は近未来フィクションである。2017年、東京大学は、ついに秋入学制に踏み切った。意外だったのは、一部の主要大学がこれに追随しなかったことだ。これは、後の悲惨な結末を暗示するものだった。 旧帝大のうち、北海道、東北、九州の各大学が追随しなかったのは、地元高校と県当局からの強い反対が背景だった。豊かでない地方の高校生にとって、秋入学までの無駄なギャップイヤーの期間は経済的に負担が重く、進学のチャンスを摘んでしまうと訴えたのである。海外の留学生の便宜より、地元の高校生を大切にして欲しいというのは、もっともな話だった。大学側は東大に遅れることに不安もあったが、数年は様子を見ることで妥協した。 早稲田大と慶応大が追随しなかったのも、東大にとって予想外であった。もともと、私学は、ギャップイヤーによって、半年間も入学金などの収入が先延ばしになるのは痛かった。春秋入学制という半身の構えで対応し、果たし

    東大が「日比谷」化する日 - 経済を良くするって、どうすれば
  • 資本主義の何が悪いのか - 経済を良くするって、どうすれば

    昨日、小塩先生のを読んでいて、ちょっと気になったのは、年金の賦課方式と積立方式では、貯蓄が多くなる分だけ、積立方式がマシというくだりだった。別に、小塩先生に限らず、経済学者は、貯蓄が多ければ、投資が増え、成長が高まると、ナイーブに考えがちだ。ここなんだね、教科書と現実を分ける差というのは。 例えば、日にカリスマ的指導者が現れて、一気の消費増税に成功したとしよう。そうすると財政赤字が減って、政府が使う貯蓄が少なくなり、貯蓄が余ってしまう。このとき、国民が貯蓄をやめて消費を増やしたり、企業が政府に代わって貯蓄を使い、設備投資を増やすなら、何の問題もない。貯蓄=投資の均衡が保たれるからだ。 しかし、どうだろう。政府が一気の消費増税をしたときに、国民が消費を増やし、企業が設備投資を増やすと、どれほどの人が信じるだろうか。むしろ、起こることは、その逆と予想するのではないか。これが現実なのだが、経

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