実に不思議なことが起こった。 つい24時間前まで痛みでヒザが曲がらなかった選手が、翌日の練習試合にボランチで先発し、ピッチの上で誰よりも躍動していたのだ。 川崎フロンターレの宮崎1次キャンプ――。 3日目のミニゲームで、横浜F・マリノスから加入した森谷賢太郎が接触プレーでヒザを痛めてしまった。一晩寝て朝起きると、ヒザが曲がらなかったという。走ることができず、練習は別メニューになった。 ところが、その翌日、森谷は日章学園高校との練習試合に、何事もなかったかのように先発したのである。スピード溢れる動きと確かな技術で誰よりもボールを受け、攻撃をスピードアップさせる潤滑油になっていた。 いったいなぜ、森谷はたった1日で試合に出られる状態にまで回復したのだろう? 答えは、極めてシンプルだ。 新トレーニングコーチの西本直(すなお)が、独自の治療を行なったからである。 元広島カープの佐々岡投手を復活させ