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ブックマーク / sportiva.shueisha.co.jp (39)

  • 宇佐美貴史「大迫くんや柿谷くんより下だと思っていない」

    ガンバ大阪 宇佐美貴史インタビュー(後編) 2014年シーズン、J1に復帰するガンバ大阪は1月中旬、沖縄キャンプ(1月16日~27日)で始動した。 日本代表復帰、そしてブラジルW杯出場へ意欲を見せる宇佐美。 そこで、久しぶりに宇佐美貴史を見て驚いた。上半身から下半身までバランスよく筋肉がついて、体がひと回り大きくなっていたのだ。 「J1で戦うためには、全体的にスケールアップしないといけない。そのために、フィジカルトレーニングをやっています。以前よりも、体重は5~6kg増えて、75か76kgになりました。 正直、これまではあまりフィジカルの重要性とか感じていなかったけど、昨年、フィジカルを強化したことがプレイに生きたんです。それまで、足技とかボールタッチでしか相手との距離を作れなかったけれども、体をうまく使って相手を抑えるだけで(相手との)距離が生まれ、技術をより出しやすくなった。それが、ゴ

    宇佐美貴史「大迫くんや柿谷くんより下だと思っていない」
  • 早熟の天才セードルフ。こんな変わり者に監督をやらせるのはミランしかない

    サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki 【サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】ミラン監督に就任したセードルフの素顔(前編) クラレンス・セードルフがミラノのリナテ空港に降り立ち、サン・シーロ・スタジアムへ向かう車に乗り込むと、イタリアのテレビ局は車がスタジアムに到着するまで彼を生中継で追いつづけた。ACミランの新監督となった37歳のオランダ人は、そんな期待のなかでミラノにやって来た。だがセードルフは、これしきのフィーバーに驚く人物ではない。田圭佑の新しいボスとなった彼は、監督という仕事が自分の天職であることをまったく疑っていない。 ミランのクラレンス・セードルフ監督(左)と田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) セードルフには監督の経験がないものの、彼の頭の中では16

    早熟の天才セードルフ。こんな変わり者に監督をやらせるのはミランしかない
  • ブラジルW杯出場もあり!?日本サッカーの宝・南野拓実

    2014年注目のアスリートたち(2) 2013年シーズン、Jリーグに恐るべき18歳が姿を現した。 セレッソ大阪の南野拓実のことだ。 セレッソユースで育った南野。世代別代表の経験も豊富だ 思えば、昨季のJリーグは10代選手の当たり年だった。野津田岳人(広島)、石毛秀樹(清水)、川口尚紀(新潟)といった選手が各クラブで主力、あるいはそれに準ずる立場でプレイした。次世代を担う彼らの存在は、日サッカーの未来を明るく照らすものだった。 なかでも出色の活躍を見せたのが、南野である。 昨季の南野はJ1で29試合出場(うち先発18試合)5ゴール。人はもっとゴールやアシストといった目に見える結果が欲しかったようだが、その働きが十分なものであったことは、彼がJリーグのベストヤングプレイヤー賞を受賞したことでも証明されている。 1月16日に19歳の誕生日を迎える新鋭は、中学時代にセレッソ大阪U-15に加わっ

    ブラジルW杯出場もあり!?日本サッカーの宝・南野拓実
  • 昇格逃したV・長崎。主将の佐藤由紀彦が語る「戦いは終わらない」

    1976年5月11日、静岡県生まれ。高校卒業後、清水エスパルス入団。モンテディオ山形、FC東京、横浜F・マリノス、柏レイソル、ベガルタ仙台を経て、2009年からV・ファーレン長崎でプレイ 2013シーズン、V・ファーレン長崎が見せた戦いは、「快挙」と評していい。 長崎はJFLから初めてJ2に昇格したばかりなのにもかかわらず、最終順位は6位と大健闘。一時は首位にも肉迫しており、間断のないプレッシングと鋭く剛直なカウンターは、J2の対戦相手から怖れられた。J1昇格プレイオフこそ、3位の京都サンガに引き分け、J1への道は断たれたが(引き分けの場合は、リーグ戦の順位が上のチームの勝利となる)、目覚ましい躍進を見せたと言えるだろう。 台頭するクラブ、長崎にあって若い選手を盛り立てたのが、最年長選手の佐藤由紀彦(37歳)だった。 佐藤は95年に清水商から清水エスパルスに入団、整った顔立ちで特に女性人気

    昇格逃したV・長崎。主将の佐藤由紀彦が語る「戦いは終わらない」
  • サムライ前田智徳秘話。「究極のマイナス思考」と「人生、平均の法則」

    横浜DeNAベイスターズの高森勇旗は、現役時代の2011年、恒例となっていた石井琢朗(現・広島カープ一軍コーチ)との自主トレで前田智徳と出会った。偉大な大先輩を前に緊張を隠せなかった高森だったが、徐々に打ち解けるようになる。「孤高の天才」「求道者」など、前田を形容する言葉は多いが、前田自身が発した言葉というのはじつに少ない。だが、高森は前田と生活をともにすることで多くの言葉をもらい、超一流の考え方を学んだ。高森が見た前田智徳とは、一体どんな人物だったのか。 「孤高の天才」などと称された前田智徳。生涯打率は3割を超えた。 皆さんは、前田智徳と聞いて何を連想されるだろうか。多くの方は、「天才」という言葉を連想したはずだ。天才と称されることが多いイチローや落合博満をもってしても、「当の天才は前田」と言う。 イチローは、自らの考えを表現することに長けているため、その考えに触れる機会は多い。落合

    サムライ前田智徳秘話。「究極のマイナス思考」と「人生、平均の法則」
  • オリックス・井川慶が語る「ザックジャパン、ベスト8の可能性」

    ブラジルW杯ベスト8への道 2014年に開催されるワールドカップ(W杯)ブラジル大会。この4年に一度の祭典を誰よりも楽しみにしているプロ野球選手がいる。それがオリックス・バファローズの井川慶投手だ。子どもの頃からサッカーの魅力にはまり、今も時間さえあれば、日、世界を問わずテレビ観戦に興じているという。そんな球界屈指のサッカーフリークである井川投手にW杯ブラジル大会の注目国、注目選手、そしてザックジャパンの可能性を語ってもらった。 草サッカーチームでゴールキーパーをやっていることもあり、サッカー観戦の時もキーパーに目がいくと言う井川投手。 ―― プロ野球界きっての『サッカー好き』とうかがいました。 「確かに好きですね(笑)。Jリーグが開幕したのは僕が中学2年生の頃で、当時は部活動が忙しく、スタジアムまで観戦に行くことは出来なかったのですが、僕の地元である茨城県の鹿島アントラーズのファンにな

    オリックス・井川慶が語る「ザックジャパン、ベスト8の可能性」
  • 元巨人ドラフト1位・辻内崇伸「8年間の悔恨」を語る

    谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro日刊スポーツ●写真 photo by Nikkan sports プロ野球「行く人、来る人」2013 今年もドラフトで育成枠を含めると89人の選手がプロからの指名を受けた。その一方で、かつて「怪物」と呼ばれた男がひっそりユニフォームを脱いだ。8年前の今頃はマスコミの注目を一身に浴び、将来の巨人のエースと嘱望されていた辻内崇伸だ。大阪桐蔭高校時代の3年夏の甲子園で、左腕最速となる156キロを記録。2回戦の藤代(茨城)戦では当時大会タイ記録となる19奪三振をマークした。しかし、高校野球史にその名を刻んだ剛腕のプロ生活は度重なる故障との戦いだった。結局、1度も公式戦の一軍マウンドに上がることなく26歳を前にした今秋、8年間の現役生活にピリオドが打たれた。 一度も一軍のマウンドを経験することなく、8年間のプロ野球生活に別れを告げた辻内崇伸。

    元巨人ドラフト1位・辻内崇伸「8年間の悔恨」を語る
  • 敗因は吉田麻也ではない。日本の「要請」を果たせないザッケローニ

    ザッケローニの採点は3.5。試合後の記者会見のコメントを聞いていると、監督交代を叫びたくなった。ほぼすべてのコメントに、賛同できなかった。そのあまりにも身勝手な分析には恐れ入るばかりだ。まず口にしたのは、コンディションの悪さ。 「2点差がつくほどの実力差はないと思った」 「今日の試合に関してはうちのミスの多さが出た。ウルグアイはミスが少なく、これが勝敗を分けた」 「これだけミスが多いのは想定外だった」 「フィジカルコンディションはウルグアイのほうが少しいいと思った」 ウルグアイ戦の試合中、たびたび苛立った表情を見せたザッケローニ監督 ザッケローニの言い分をまとめるとこうなる。 「代表監督就任に際し、世界のトップに立てという要請は受けていません。課せられた使命は、W杯大会出場と世界の強豪との差を詰めることです。実際、フィジカルコンディションが伴ったときは、我々は常にいい試合をしている。身体

    敗因は吉田麻也ではない。日本の「要請」を果たせないザッケローニ
  • 【日本代表】「ロングボール不要論」は本当に正しいのか

    欧州遠征のフランス戦で起用された長身FWのハーフナー・マイク福田正博 フォーメーション進化論 vol.36 サッカーにはさまざまなスタイルがある。そうしたやり方のひとつに、前線にロングボールを放り込む戦術があり、これは、ボール保持を優先することが多い現代サッカーでは、あまり選択されないやり方になりつつある。終了間際にそれをやるチームがいくつかあるぐらいで、サッカーの潮流として、ロングボールを放り込んで、肉弾戦、空中戦で勝負、というチームは減る傾向にある。 だが、「最後のパワープレイ」という言い方があるように、リードされている状況で、身長の高い選手を2、3人ターゲットとして前線に置いてロングボールを放り込み、勝負をかけるチームがまだあることも事実。それはロングボールがひとつの有効な攻撃の手段であることを示してもいる。 私自身は、ロングボールは決して悪いことではないと思う。「ショートパスをつな

    【日本代表】「ロングボール不要論」は本当に正しいのか
  • 【Jリーグ】柏の覇権奪回のカギは、昨季の「失敗」にあり

    2012年シーズン、柏レイソルはリーグ戦こそ6位で終わるも、天皇杯では優勝し強さを証明した。2013年Jリーグ「王座奪還」 柏レイソル編(2) 2013年シーズン、柏レイソルの逆襲はあるのか。そんな視点で新シーズンを占うと、ひとつのポイントとなるのは、天皇杯優勝によって勝ち取ったAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場だろう。 昨年も徐々に順位を上げ、最終的には6位まで巻き返したうえに、天皇杯では優勝。地力はあると考えていい。となると、怖いのは昨年同様、序盤での躓(つまず)きである。ACLのグループリーグを並行して戦わなくてはならない4月までに、J1は8節を消化する。J1とACLを合わせて14試合をこなす序盤の2カ月余りを、どう乗り切るか。それが、柏の覇権奪回のカギだろう。 幸いにして、一度経験している効果は大きい。アウェー遠征を含むACLによる試合数の増加で、疲労の蓄積も心配されるところ

    【Jリーグ】柏の覇権奪回のカギは、昨季の「失敗」にあり
  • 【日本代表】豊田陽平「自分が代表に選ばれたら......」

    小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato 1985年4月11日、石川県生まれ。星稜高校卒業後、2004年、名古屋グランパスに加入。モンテディオ山形、京都サンガを経て2010年からサガン鳥栖でプレイ。2011年はJ2得点王となりチームのJ1昇格に貢献。2012年は得点ランク2位となる19点をあげベストイレブンにも選ばれた。北京五輪代表連載・ブラジルW杯を狙う刺客たち(3)~豊田陽平(サガン鳥栖)~後編 ブラジルW杯を目指すために、豊田陽平は今季もサガン鳥栖でプレイすることを選んだ。 その思いは通じるのか。メンバーが固まりつつあるザックジャパンの中へ割って入ろうとしている若きプレイヤーたちは今、何を思いながらプレイしているのか。 2007年7月、豊田は死にかけたことがある。 F・マリノスとのサテライトリーグ、横浜

    【日本代表】豊田陽平「自分が代表に選ばれたら......」
  • サンフレッチェ広島のJ1初優勝を呼び込んだ 久保竜彦のリポート姿|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva|スポアナ アスリートレポート

    昨シーズンのJリーグは、サンフレッチェ広島が第33節でセレッソ大阪を下し、最終戦を前にJ1初優勝を決めました。その記念すべき試合で『SUPER SOCCER』のスペシャルリポーターを務めてくれたのが、元日本代表FWでサンフレッチェ広島に在籍していた”ドラゴン”こと久保竜彦さんでした。 リポーターをお願いすることは事前に知らせず、当日、待ち合わせ場所に現れた久保さんにいきなり、「今日はリポーターのお仕事です」とお伝えしました。すると「え!? リポーター? 俺、聞いてないよ」という当然の反応です。 久保さんといえば、無口で有名。私も引退の時などにお会いしてお話をうかがったことがあるのですが、どちらかというと口下手で、おしゃべりはあまり得意ではないという印象を受けました。でも、サンフレッチェ広島が初優勝するかもしれないという試合です。せっかくなら思い入れの強い方にリポートしてもらったほうがいいと

  • 【日本代表】山田大記が明かすブラジルW杯への野望

    小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato 1988年12月27日、静岡県生まれ。藤枝東高、明治大学を経てジュビロ磐田へブラジルW杯を狙う刺客たち(1)~山田大記(ジュビロ磐田)~前編 メンバーが固まりつつあるザックジャパンには、彼らの座を脅かすような存在が必要だ。候補者はいる。代表の座を狙う若きプレイヤーたちの肖像に迫る。 24才の青年は、素直で礼儀正しい。例えば試合に敗れた後には、アウエーゲームの声援に駆けつけてくれたサポーターの前へ真っ先に挨拶に向かう。去り際も申し訳なさそうに振り返り、深々とお辞儀をして礼を尽くす。「真面目」「生徒会長」「優等生」と評判は良好。入団1年目で10番を背負い、2年目にして主将を任されるようになった理由は、"良くできた"人間性にあるだろう。 一方でチームメイトからは、「腹黒い」

    【日本代表】山田大記が明かすブラジルW杯への野望
  • 【Jリーグ】37年ぶりの天皇杯優勝。柏が備えつつある「強豪クラブの風格」

    前身の日立製作所時代から37年ぶりとなる天皇杯を制覇した柏レイソル 奪ったゴールはわずかに1。それでも慌てることなく試合を進め、堅実な守備で逃げ切ってしまうあたりは、昨季(2011年)のJ1王者・柏らしい戦いぶりだったと言っていい。 4年前と同じガンバ大阪と柏の対戦となった、元日恒例の天皇杯全日サッカー選手権大会決勝。試合序盤からボールポゼッションで上回り、主導権を握ったのはG大阪のほうである。 しかも、様子を見るようにパスをつなぐだけだった状態から、20分を過ぎると徐々に柏ゴールへ迫る機会も多くなっていた。25、26分には、ゴール前で遠藤保仁、二川孝広が立て続けに惜しいシュートチャンスをつくり出してもいた。ここからいよいよ、格的にG大阪ペースになるのではないか。注目の元日決戦は、そんな流れで推移していた。 潮目を変えたのは、柏のネルシーニョ監督が下した「決断」である。 「ガンバから流

    【Jリーグ】37年ぶりの天皇杯優勝。柏が備えつつある「強豪クラブの風格」
  • 【Jリーグ】名波浩が語る、偉大なる「ゴン・中山」の思い出

    を代表するゴールゲッター中山雅史がついに引退した。 12月4日、中山雅史選手(コンサドーレ札幌)が引退を発表した。 話を聞いたのは、その前日だった。中山さんから連絡があって「もう(サッカーを)辞めるわ」と、明るい声で話していた。そんなトーンだったので、こっちが電話口で涙を流すのもおかしいと思って、努めて感傷にひたらないように「お疲れさまでした」とだけ言わせてもらった。ただ、余りにも偉大な人過ぎて、なんて言葉をかけるのがいいのか、わからなかったというのが、正直なところ。 中山さんのことを初めて見たのは、中山さんが在籍していた藤枝東高(静岡県)が全国高校サッカー選手権に出場したときだった。藤枝市生まれで、当時藤枝の小学校に通っていた自分にとっては、地元高校の晴れ舞台出場に胸が躍った。藤枝市役所から出発する地元からの応援バスに乗って、藤枝東の試合を見に行ったのを今でもよく覚えている。 そこで

    【Jリーグ】名波浩が語る、偉大なる「ゴン・中山」の思い出
  • 【Jリーグ】来季も前途多難。ガンバ大阪はなぜJ2降格してしまったのか

    最終戦でジュビロ磐田に1-2で敗れて、J2降格となったガンバ大阪。 2012年シーズンのJリーグ最終節。注目の残留争いは、前節終了時点で14位のセレッソ大阪(勝ち点41)、15位のヴィッセル神戸(勝ち点39)、16位のガンバ大阪(勝ち点38)、17位のアルビレックス新潟(勝ち点37)のうち、2チームが生き残れるという状況で迎え、引き分けたセレッソ(勝ち点42)と勝利したアルビレックス(勝ち点40)が勝ち点を伸ばしてJ1残留を確定。敗れたヴィッセルとガンバがJ2降格となった。 いちばんの驚きは、やはりガンバのJ2降格だろう。試合後、解説者の名波浩氏も、「まさか、ガンバがJ2に落ちるなんて......。ちょっと信じられない......」と絶句した。 1993年にJリーグが開幕後、最初の9年こそ下位に甘んじることが多かったものの、2002年に西野朗監督が就任してからは、2005年に初のリーグ制覇

    【Jリーグ】来季も前途多難。ガンバ大阪はなぜJ2降格してしまったのか
  • 【Jリーグ】J残留を懸けて最終節へ。町田に奇跡は起こるか

    厳しい表情の町田ゼルビア、アルディレス監督  11月4日に行なわれたJ2リーグ、第41節。最下位のFC町田ゼルビアは水戸ホーリーホックと1-1で引き分けた。次の最終節に向け、"Jリーグ残留"に望みをつないだものの、勝利を逃して戦況は苦しくなった。 「その質問は、今するべきではないでしょう。私たちは純粋に最後の最後まで戦うだけ。今日は生き残るために必要な勝ち点1が取れました。わずかな可能性がある限り、私たちは戦います」 オズワルド・アルディレス監督は、残留が数字上厳しくなったことを記者から問われ、小さな声を震わせるように言った。眼光は鋭く、炯々(けいけい)としていた。一軍を与(あずか)る将として、アルゼンチン人は戦場の真っ直中に身を置く覚悟を会見場に充満させた――。 今シーズンのJリーグは史上初、JFLからJリーグに昇格するクラブと入れ替えが行なわれる。JFLで昇格条件を満たすV・ファーレン

    【Jリーグ】J残留を懸けて最終節へ。町田に奇跡は起こるか
  • 【Jリーグ】得点数1位でも16位。ガンバ大阪が降格圏にいる「不思議」

    浅田真樹●取材・文 text by Asada Masakiphoto by Akihiro Sugimoto/AFLO SPORT シーズン途中からG大阪に加入し、ゴールを量産しているレアンドロ 今季のJ1も先週末に第26節が終了し、残るは8節。大混戦が続くだけに、ここから先の1試合1試合が、各クラブの順位を決定づける重要な試合となる。 ここまでの順位表を見てみると、最下位の札幌が勝ち点10で大きく遅れているのを除けば、首位広島の勝ち点50から17位新潟の勝ち点26まで、17クラブがわずかの差でひしめき合っている。 象徴的な存在は7位柏(勝ち点39)で、4位磐田(勝ち点42)とも11位川崎(勝ち点36)とも、勝ち点差はわずかに3。ひとつの試合結果が、大きく順位を上下させる状況にある。 と同時に、稀(まれ)に見る混戦にあっては、勝ち点とともに順位決定の重要なカギを握るのが、「得失点差(総得

    【Jリーグ】得点数1位でも16位。ガンバ大阪が降格圏にいる「不思議」
  • 【Jリーグ】ザックの評価もさらに上昇? 好調磐田の右サイドに駒野あり

    ジュビロで多くのチャンスをつくり出す駒野。日本代表でも好調 前節(23節)終了時点で、J1の首位に立つ広島と、勝ち点6差で追う4位磐田の上位対決は、優勝争いと同時に、互いのエースストライカー同士の得点王争いにも注目が集まった。 17ゴールでトップを走る佐藤寿人と、12ゴールで2位につける前田遼一(いずれも23節終了時)。これまでは佐藤が独走を続けてきたが、過去2年連続得点王の実績を持つ前田が、このところの3試合連続ゴールでジワジワと佐藤に迫っていた。エースストライカーの出来不出来は、すなわちチームの勝敗に直結するだけに、優勝を争う上位対決において、好調な彼らふたりに対する注目が高まるのも当然だった。 そんな周囲の期待に応えるように、ふたりのFWは、前半から見せ場を作った。 20分、右CKから佐藤が巧みにGKの前にもぐり込み、頭で合わせて先制ゴールを決めると、その4分後には同じく右CKから、

    【Jリーグ】ザックの評価もさらに上昇? 好調磐田の右サイドに駒野あり
  • 【柔道】日本柔道、ロンドン五輪『惨敗』の真相

    100kg超級出場の上川大樹が2回戦で敗れ、男子柔道は五輪で初めて金メダルなしという結果に終わった ロンドン五輪で、金メダルが松薫(女子57キロ級)の1個にとどまり、男子は史上初めて金メダル「ゼロ」という惨敗を喫した日柔道。柔道の母国としての威信を失った最大の要因は、強化体制の不備および世界の柔道への対策が不徹底だった点に尽きるだろう。 北京五輪後、男子の監督には篠原信一氏が、女子の監督には園田隆二氏が就任した。それまでの代表コーチ陣は、ふたつないしひとつの階級を担当する形をとっていたが、ふたりの監督就任を機に担当制を廃止し、コーチの数も5人から3人に減らした。 北京以前は、担当コーチと選手は二人三脚で該当階級の海外選手を研究し、対策を練っていた。ところが現体制ではコーチ陣が全階級を担当するため、個別の対策がどうしても不十分となってしまう。また、ひたすら走り込みと、乱取りの数をこなすよ

    【柔道】日本柔道、ロンドン五輪『惨敗』の真相