「それでは番組にならない」という側面はきっとあるにせよ、患者さんの情報を小出しにしつつ、研修医の人たちに病名を考えさせるクイズのようなやりかたは、あれが教育の正解にはなってほしくない。 クイズに正解できる医師は、豊富な知識と柔軟な思考を持つことになるのだろうから、そうした医師を育てることは決して間違っていないであろうにせよ、病院が目指すべき方向は、ああいうクイズ番組それ自体が番組として成立しないような、患者さんの問題と、問題に対する対処とを、各病院が「型」や「パターン」として持つことなのだろうと思う。 病棟にあってスタジオに存在しないもの クイズの回答に失敗するのは恥ずかしいことかもしれないけれど、少なくともそれで誰かから訴えられたり、病院での仕事を続けられなくなってしまったり、といった事態にはなりにくい。 ゲームとしてのクイズは柔軟な思考を鍛えてくれるかもしれないけれど、病棟業務における