→紀伊國屋書店で購入 「多角的なウィキリークスの入門書」 2010年、メディアの世界で最大の話題の一つとなったウィキリークスであるが、いまでもその内実をよく分からない人間は、私自身を含めて多いだろう。 本書は、分野を異にする7人の論者たちが、このウィキリークスを多角的に解説した、タイムリーな本である。時系列的な事実関係の整理から、その理論的な背景に至るまで、網羅的な解説を行っている。 まずは内容を概観してみよう。 第一章では、政治社会学者の塚越健司が「ウィキリークスとは何か」(11-54)と題し、ウィキリークスをめぐる事実関係を簡便に解説している。 その組織形態、メンバー、主宰者ジュリアン・アサンジの略歴、組織成立の背景から2006年の立ち上げの経緯、さらにウィキリークスが関係した事件の数々がつづられている。 特に重要だった事件の一つがタックス・ヘイブンでのマネーロンダリングの疑いを暴露し