恐ろしいものを読んでしまった。 2018年、32歳の女性が母親の殺害と遺体損壊、遺棄の容疑で逮捕された。彼女の名前は高崎あかり(仮名)。あかりの母親は異様なほど娘の学歴に執着し、医学部を9年も受験させた。娘は浪人をしているその9年間ずっと母親の監視下にあり、執拗な虐待を受けていた。母親が医学部をあきらめたことにより、あかりは9年目に医科大学の看護学科に主席で入学、学生として過ごした後は大学の附属病院に看護師として内定を得ていた。あかりは母親を殺してから逮捕されるまでの2か月の間、看護師として働いていたが、周囲に気取られることはなかったという。 本は、筆者の齊藤彩さんによる地の文と(齊藤さんの質問にあかりが答える形で作成されたらしい)、母と娘が交わしたラインのやり取りで構成されている。 あかりが母親を殺した直接の理由は、看護学科を卒業し内定を得、ようやく母親の束縛から逃れ自立できるというとこ