例年、その年の一番始めに書くレポートを何にするかで悩む。 やはり一年の始まり、自分自身の士気を高める上でも、あまりしょうもないレポで明けたくないし、また、多くの読者様の「廃道初め」になるのかも知れないと思うと、そう軽々とネタを決定できないものだ。 そんな中で、今年はわりかしすんなりと決定した。 表題は仮称なのだが、正式な道路名がまだ判明しないので、やむを得ない。 しかし、この道の状況をよく現すタイトルにはなったと思っている。 「東京の奥座敷」と呼ばれ、箱根と共に関東を代表する温泉場である栃木県日光市の鬼怒川温泉。 そこに廃道があるとの情報を手にしたのは、平成18年の夏頃だった。 情報提供者は、『険道と標識のページ』を運営する春日氏である。 どうもその廃道の途中には一本の隧道があるらしく、それより先は訳あって未調査だという。私は彼からその調査を託された形となって、いざ訪問の機会を覗っていた。