今朝の新聞で海運専門家が、今回の事件はシーマンシップ(seamanship)の喪失がもたらした惨劇と言っていました。全く同感の指摘です。危機に対処するセウォル号の乗組員の態度は無能を超えて無責任の極致です。 私には、最も下級の船員だった22歳のパク・チヨンさんが、船長や他の乗組員よりもはるかにシーマンシップが強かったように見えます。彼女は10回以上も乗客を脱出させるかどうか尋ねたのに、何の返答もなかったというのは、船の司令塔がどれほど無能で無責任かを端的に示す事例です。その乗組員たちが専用無線機で、自分たちだけ脱出しようと交信して操舵室に集まり、慣れた通路から脱出するというとんでもないことも起きていました。爪の垢ほどのシーマンシップがあれば、そんな露骨な真似はできなかったでしょう。自分の脱出より乗客の脱出が先という、幼い子供でもわかる責務はどこへいったのでしょう?