この秋にも消費税率の10%への引き上げが判断されるが、日経新聞は、7月17日付の紙面で、政府の「経済財政に関する中長期試算」の最新データをもとに、〈財政収支、11兆円赤字 20年度政府試算〉という見出しで〈消費増税で赤字を穴埋めする場合、税率を10%へ上げた後に、さらに4%程度の引き上げが必要になる計算だ〉と報じた。 わずか3年前、野田政権が消費税10%を打ち出した時、大新聞はこぞって増税が必要と書き立てた。テレビでも解説者やコメンテーターが増税必要論の大合唱となった。本誌は景気への悪影響や、実際には増税分が政治家と官僚の利権拡大に使われることなどを理由に反対したが、週刊誌のなかにさえ賛成論は多かった。 そのマスコミを手玉に取った仕掛け人の香川俊介・前主計局長がトップの事務次官に就任した。当時、官房長として消費税10%引き上げの政界・マスコミへのローラー作戦の陣頭指揮をとった人物である。