衆院選は自民党の圧勝に終わった。最大の要因は、はっきり言えば野党のだらしなさだ。そもそも11月に解散風が吹き出したのに、野党は本気にしていなかった。マスコミも同じであるが、財務省筋の情報を過度に信じていて、解散がありえないと高をくくっていたのだろう。筆者らその種の情報に依存しない人たちを信じないのも痛かった。 野党が「解散の大義がない」という言い方をしていたのにも驚いた。野党にとって衆院選は自分たちの力を試せる絶好のチャンスだ。野党なのに解散をいやがっていたら、結果として与党を信任することになってしまう。そのあたりの情けなさを国民は感じ取り、「大義なし」と叫んでも野党に票は来なかった。 実際のところ、自民党の政策は穴だらけだったが、そうした批判を受け止めるだけの政策を野党も持っていなかった。たとえば民主党は「円安の行き過ぎを正す」と訴えたが、かつて民主党政権下で円高に苦しんだのも記憶に新し