トルコリラが暴落している。数年前まで対円で60円近辺にあったトルコリラは、現在10円台後半と4分の1程度まで下がった。日本では高金利のトルコリラ建て投資信託は人気商品だったため、今頃ほぞをかんでいる投資家が多い。米S&Pの国債格付けも「シングルBプラス」と投機的格付けにあり、この格付けでは海外からの投資(資金流入)は困難だ。トルコリラは底値圏とはいえ、まだ下がる余地がある。 このトルコリラ暴落の原因として、エルドアン大統領の強権政治にアメリカが反発し、制裁を強化、最近では鉄鋼やアルミ製品の輸入関税を大幅に引き上げたことなどが挙げられている。しかし、トルコとアメリカの軋轢の根は、もっと深い。最大の焦点は、アメリカの福音派牧師ブランソン氏の釈放問題だ。2016年7月、トルコでエルドアン政権打倒を企てたギュレン教団が中心にいたとされる、クーデター未遂事件が勃発。これに対しトルコ政府は、アメリカに