富裕層に高率で課税しても、国外へ流出してしまう グローバル化は、税制に対して次の3つの大きな変化を引き起こす。第1は、「所得税のフラット化」、第2は、資本への軽課と労働・消費への重課、そして第3は、法人税率の引き下げである。以下、順次みていこう。 第1点目の「所得税のフラット化」とは、累進所得税の最高税率が引き下げられることを意味する。高所得になるほど急峻に上昇していた税率の階段が緩やかな上昇へと変化するため、税率構造が「フラット化」する。 図表1は、1975年から2019年までの40年以上にわたる、主要OECD諸国の所得税最高税率の推移を示している。 ここにはっきり現れているように、所得税の最高限界税率は、1980年から1990年代半ばにかけて大きく低下し、かつては70~90%もの高率だったものが、現在は40~60%の範囲に収まるようになっている。 これは、所得税による所得再分配機能の喪
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