威風堂々「驛」は残った JR奈良駅と大仏鉄道2009年10月3日 印刷 ソーシャルブックマーク 夕闇に浮かび上がる旧JR奈良駅。寺院風の屋根に、古都の玄関口としての風格が漂う=奈良市農道や水路を通すため使われた梶ケ谷隧道。大仏鉄道はこの上を走っていた=京都府木津川市御影石とれんがを組み合わせた赤橋=京都府木津川市大仏鉄道の急な高低差を緩和するために作られた観音寺橋台(手前)。並行してJR大和路線が走っている=京都府木津川市シベリア経由欧亜連絡「大阪―パリー」の切符=天理大学付属天理参考館提供 フォトギャラリー 真っ白の足袋を履かないと、駅には入らない。 初代奈良駅の出札係、竹田まさゑさんはそう固く決めていた。ススを吐く汽車で1時間揺られて出勤し、ホームに降りる前に汚れた足袋を必ず履き替えた。貧しい農家の出身。足袋を何足も持てず、夜洗濯し、早朝、鏝(こて)をあてた。1930(昭和5)年、