フェイスブック投稿に、「行政の圧力」と非難投稿が相次ぐ 東京の府中市美術館で来月始まる戦後を代表する社会派画家、新海覚雄(かくお、1904〜68年)の展覧会を巡り、同館の男性学芸員が23日、上司から展示の見直しを指示されたとフェイスブックに投稿。ネット上に「行政による表現への圧力」などと非難する投稿が相次ぎ、波紋が広がった。須恵正之副館長は「公立美術館にふさわしい中立的な展示を要請した」と話している。 同展は「燃える東京・多摩 画家・新海覚雄の軌跡」の名称で、来月16日から9月11日まで開催。同市平和都市宣言30周年記念事業の位置づけで、昨年から学芸員らが準備を進めてきた。
20世紀初めにパリに渡って国際的に活躍した画家、藤田嗣治(1886〜1968年)が戦前、大阪・心斎橋の百貨店そごうの食堂に壁画として描いた作品の一部が、28日から神戸市内で公開される。壁画は1939年に火災で損傷した後、一部が東京都内のホテルのバーにひっそりと掲げられていたが、「藤田の作品」として関西で披露されるのは77年ぶりになる。 作品は「春」の題で、花咲く野原でブロンドの女性たちが憩う姿が描かれている。パリから中南米の旅を経て33年に帰国した藤田は壁画にも取り組み、「春」はそごう新築にあたって35年に特別食堂に飾られた。だが、4年後にそごうは火災に見舞われ、壁画も損傷する。処分されるところを兵庫県の美術愛好家が譲り受け、鑑賞に堪える部分を2面に分けて補修・額装して自宅に所蔵するなどし、引き継がれてきたという。
アルベールビル冬季五輪のフィギュアスケートで2位に入賞、銀メダルを胸にスタンドの声援に手を振って応える伊藤みどり選手=1992年2月21日撮影 まもなくフィギュアスケートの世界選手権が始まる。男子の優勝候補筆頭の羽生結弦選手、女子もメダル候補の宮原知子選手や浅田真央選手ら、日本勢は今回も活躍が期待できるメンバーがそろった。つい先ごろ、世界ジュニア選手権でも14歳の本田真凜選手が優勝した。 男子も女子も、シニアもジュニアも、なんて、すごい時代になったものだ。その日本のフィギュアスケートをリードし、いや、世界レベルでも先駆的役割を担ったのが、伊藤みどりさんだ。 先日、久しぶりに2人で会った。世界フィギュアについての話は、近日中に紙面化するけれど、よもやま話の中で「へえっ」と驚いたエピソードを二つ紹介する。 この記事は有料記事です。 残り605文字(全文889文字)
画家の藤田嗣治が1957年、能楽のパリ公演で舞台の窮地を救ったという逸話を記した手帳が、大阪市中央区の山本能楽堂で見つかった。背景の鏡板が開幕前に破損したため、パリ在住の藤田が急きょ老松の絵に筆を入れて補修したという。手帳には舞台の成功を祝う藤田の直筆メッセージも残されていた。12、13両日、能楽堂内の資料室で公開される。 手帳は能楽師・山本博之の遺品。能楽堂の改修に伴って昨夏から資料を整理していたところ、パリ公演のプログラムやポスターとともに保管されていた。山本は能楽師・喜多実を団長とする能楽渡欧団のメンバーで、57年6月25日から4日間行われたパリ公演に参加。「葵上」「舟弁慶」などが演じられた。 この記事は有料記事です。 残り434文字(全文738文字)
東電第三者委調査へ 隠蔽なかったか焦点 東京電力が福島第1原発事故以降、核燃料が溶け落ちる炉心溶融(メルトダウン)を判断する社内マニュアルの存在に気付かず、今月になって「発見」したとされる問題で、東電は第三者委員会を設置して経緯を調べる方針を示している。問題の背景には、安全神話に陥っていた意識の甘さに加え、「炉心溶融」との言葉に神経質だった当時の政権の顔色をうかがう東電の萎縮ぶりが見える。第三者委の調査は「なぜ5年も見つからなかったか」「隠蔽(いんぺい)はなかったのか」が焦点になる。 「溶融の判断が(あったか)どうかは分からない」。震災当時、東電フェローとして事故対応に当たった日本原子力産業協会の高橋明男理事長は25日の定例記者会見で、マニュアル問題への明言を避けた。当時の社内テレビ会議では炉心溶融を前提に議論していた記録が残るが「記憶にない」と言葉を濁した。
実験的に修復された漆器を手に取り、確認する熊谷賢・陸前高田市立博物館副主幹(右)と神庭信幸・東京国立博物館特任研究員=東京都台東区の東京国立博物館で、後藤由耶撮影 <1面からつづく> ◆陸前高田 がれきから46万点回収 全国から支援の輪 2011年3月11日、太平洋に面した岩手県陸前高田市の市街地は高さ15メートルを超す巨大津波に襲われた。市立博物館や市立図書館など四つの文化施設は収蔵品もろとも水没し、職員27人のうち19人が犠牲となった。現役の学芸員で生き残ったのは、市立博物館副主幹の熊谷賢(くまがいまさる)さん(49)だけだった。発生時、海岸近くの「海と貝のミュージアム」にいたが、約1・5キロ離れた3階建て市役所の屋上に避難し、一命を取り留めた。 19日後の30日から、熊谷さんと博物館勤務経験者らは海水とヘドロにまみれた収蔵品を回収し、市街地から山間部へ16キロ入った旧生出(おいで)小
ギャラリートークで、展示作品や学芸員の仕事にまつわる秘話を披露する鈴木さん=宇都宮市桜4の県立美術館で 普段目にする機会のない展覧会の舞台裏を学芸員の仕事を通じて紹介する企画展「学芸員を展示する」が、県立美術館(宇都宮市桜4)で開かれている。3月21日まで。企画した学芸員、鈴木さとみさん(34)は「開催直前まで七転八倒している私たちの仕事を紹介したいと、3年がかりで構想した。一味違った展覧会の楽しみ方を体験してほしい」と話している。 「学芸員」に着目した企画は全国的にも珍しい試み。「作品修復」や「企画展制作」など五つのテーマに沿って、ベテラン、若手、新人の「学芸員S」が同館所蔵の80作品と関連資料を用いて舞台裏を紹介した。随所に「裏話」のパネルも設けられている。 この記事は有料記事です。 残り512文字(全文796文字)
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