その国は「世界一だまされない国」と言えるかもしれません。 「フェイクニュースとの戦いに勝利した」とも。 北欧のフィンランド。 ロシアと長い国境線を接し、歴史的に脅威にさらされ、対抗してきました。 ロシアのメディアなどによるとみられる偽情報は、日本でもSNSで広がっています。 偽情報に惑わされないようにするためには…現地で取材しました。 目次 子どもたちも実践的に学ぶ 偽情報対策の新システムも

「8時台は登校中に怪我などをした児童生徒の対応をし、9時過ぎから健康観察の集計から始まります。各クラスが朝の会で確認した出欠状況や健康観察を集約し、管理職に報告するのです。感染症が流行しやすい時期であれば学級閉鎖をするかどうかの判断材料にもなります。 授業が始まると、怪我や体調不良で来室した児童生徒の対応をしながら、合間で毎月の保健だよりを作成したり、保健室の衛生材料の補充、校内の水道やトイレ回りの衛生チェックなどをします」 お昼前後にも重要な仕事が詰まっており「給食をゆっくり食べられた記憶はほとんどない」と言う。 「栄養士とともに給食の食物アレルギー関連の確認や対応をしたり、保健委員会の活動に合わせて、子どもたちと食前の“手洗いチェック”や、食後の歯磨き指導に関わることもあります。給食中は嘔吐などをした児童生徒の対応にあたります」 そのほか、保健室登校の児童生徒と一緒に過ごしたり、保護者
「PCに詳しい保護者の方、いませんか?」 小学2年生(当時)の息子の学校公開(昔でいうところの授業参観)の冒頭、担任がパニックになっていました。PCがフリーズしていたのです。 その日の授業は、「自分の小さなころのことを親から取材して、子どもたちが前に出て発表する」というプログラム。先生のPCには、子どもたちから預かった小さなころの写真が収まっていました。発表する子は前に立ち、小さなころの写真をスクリーンに投影しながらプレゼンする、という流れのはず、だったのですが……。 ITを学校教育に生かす動きが活発化していますが、マシントラブルなどの予期せぬ問題が起きることも。同じ公立小学校でも、マシンのスペックや授業のIT化の度合いに、学校ごと、地域ごとに格差があります。 「再起動していいのかな……」先生パニック 冒頭のシーンに戻ります。 フリーズしたPCを前に焦りが募る先生。「これ、再起動していいの
特別養子縁組制度を通じて実感したこと ――TBSを退職され、2024年4月1日付で姫路市教育長(任期は3年)に就任されました。どのような経緯で教育界に入ることになったのでしょうか。 いくつか理由があるのですが、2017年からアメリカのコロンビア大学大学院でオーラルヒストリーの研究をしていたことが1つです。 個人の記憶を対話(インタビュー)を通して記録するのがオーラルヒストリーですが、自分が経験していないことを自分事として学ぶことができるすごい手法だと思いました。これを専門家だけでなく、広く子どもたちにも広げて、例えば平和学習などに活用したいと思うようになりました。 大学院修了後は、オーラルヒストリーを学生に教える活動を国内外の大学などで続ける中、2019~2023年まで姫路女学院の外部講師として、阪神・淡路大震災について対話を通して自分事として学ぶクラスを担当していました。 ――そこで姫路
安心安全な利活用と デジタル・シティズンシップ教育 2021/8/30 GIGAスクール構想に基づく1人1台端末の円滑な利活用に関する調査協力者会議 国際大学GLOCOM 豊福晋平 Shimpei Toyofuku 2021 CC-BY-NC 1 日常のデジタル化を達成して はじめて圧倒的な学習効果が得られる Puentedula(2010) SAMRモデルに豊福が加筆 S Substitution 代替 A Augmentation 増強 M Modification 変容 R Redefinition 再定義 活用特徴 教員の教具的活用 学習者の文具的活用 知的生産と蓄積編集 学習プロセスの転換 活用頻度 2 日常利用 の踊り場 日常への 急坂 持続性のない使い方 たまに使っても効果がないから トラブル続きで授業に支障を来すから 持続利用を前提に学習効果への転換をはかる 手間いらずで効
小学1年生の授業を見て感じたこと 先日、近所の公立小学校で公開授業があったので、行ってきました。見せてもらったのは、1年生の国語の授業。説明文を読みながら、登場人物ごとに、誰のことについて説明している文章なのかを、段落ごとに色分けしながら数字を振って、文の構造を見ていくというような授業でした。 久しぶりに授業を見せてもらって、小学校に入学してまだ3カ月の子どもたちが、結構難しいことを勉強しているんだなぁと感心したのですが、当然のことながら、1年生の子どもにとって、45分集中して先生の話を聞くというのは簡単ではありません。 見ていると、しっかり授業についていけている子は一部で、先生の質問に対して、手を挙げる子は決まった子。その子の答えに対して、「どうですか?」と聞かれて、一斉に「同じです」と答えるという、昔ながらのお決まりの授業進行。タブレットとモニターを使っているだけで、相変わらず正解を教
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和久田 学(わくた・まなぶ) 公益社団法人子どもの発達科学研究所所長・主席研究員 静岡大学教育学部卒業。特別支援学校教諭として20年以上現場で勤め、その後科学的根拠のある支援方法や、発達障害、問題行動に関する研究をするために連合大学院で学び、小児発達学の博士学位を取得。2012年より現職、子どもの問題行動(いじめや不登校・暴力行為)の予防・介入支援に関するプログラム・支援者トレーニング・教材の開発に取り組む。大阪大学大学院招聘教員、日本児童青年精神医学会 教育に関する委員会 委員。著書に『学校を変える いじめの科学』(日本評論社)など 「海外ではいじめの研究が進んでおり、例えば米国では学校での銃乱射事件の背景にいじめの問題が隠れていることも多いので、予防策が熱心に研究されてきました。現在、世界のいじめの研究で主流となっている領域は『インターネット』『LGBTQ』『職場』で、実は『学校』に関
「伸ばしたい3つの力とその評価の観点はほぼ対応しています。『主体的に学習に取り組む態度』も学力の3要素として2007年から使われてきた言葉で、急に新しいことが言われ始めたわけではありません」 そう語るのは、東京大学名誉教授であり帝京大学中学校・高等学校校長補佐を務める市川伸一氏だ。認知心理学の観点から、実践に基づく教育の研究に長く取り組んでいる。 決して降って湧いた話ではないのに、この「主体的に学習に取り組む態度」の評価が教育現場でなかなかなじまないのはなぜなのか。市川氏はもう1点、同ハンドブックから下記の図を示した。 「主体的な態度の評価に当たっては、横軸の粘り強さだけでなく、縦軸で表された『自らの学習を調整しようとする側面』が必要です。言い換えれば、横軸はどれだけ勉強したかという量的な部分で、縦軸は学習の質にかかわる姿勢です」 これは教育心理学の分野では30~40年前から着目されている
「子どもの貧困」と教育格差 まず、言葉の定義を確認しておきたい。子ども本人に変更できない初期条件である出身家庭の社会経済的地位(Socio-economic Status、以下SES)などの「生まれ」によって学力や最終学歴などの教育成果に差がある傾向を「教育格差」と呼ぶ。 SESは社会的、経済的、文化的な特徴を包含する複合的・多面的な概念で、多くの社会科学研究では保護者(以下、親)の職業、世帯収入、両親の学歴や文化的行為などを統合した1つの指標を作成し分析に用いている。一方、「貧困」は通常、世帯収入だけで定義される。概して、相対的な貧困家庭出身であると、非貧困家庭と比べて学力や進学などの教育達成は低位にとどまる。 SESは複合的・多面的な概念で、貧困は経済的側面である世帯収入だけで把握するわけだが、相対的な貧困層はSESが低い層と実質的に大きく重なっている。大まかな傾向として、高収入世帯の
世界にだいぶ後れて動き出したICTを活用した学び 学校におけるデジタル機器の使用状況が、最下位だった日本(PISA2018)。それが新型コロナウイルスの感染拡大によって、GIGAスクール構想が前倒しとなり、全国の公立の小・中学校で「1人1台端末」とネットワーク環境が整備された。世界にだいぶ後れはしたものの、ここ日本でも2021年4月から、ほとんどの公立の小・中学校で「1人1台端末」を活用した学びが始まっている。 だが、実際の教育現場は混乱の1年だったといっていいだろう。端末は届いたが開封すらしていない。活用は始まったが、使うたびにトラブルが発生して授業が進まない。いきなり授業で使うのはハードルが高いから、日常の健康観察記録で使ってみようなど、試行錯誤をしながら少しずつ活用を進めてきた学校がほとんどだ。 そうしたGIGA端末の活用を積極的に記事でも取り上げてきたが、中でも読まれたのが「2週間
「家庭の教育方針や子どもの成熟度によっても変わりますし、そこに画一的な答えはありません。私の子どもの場合は、0歳の頃からタブレットに触れていましたが、夢中になってほかのことが手につかなくなることはありませんでした。例えば『公園に行こう』と声をかければすぐにタブレットを置いて、喜んで外に出かけました。さまざまな体験を提供し、スマホ以外にも楽しみがあれば、必ずしもスマホ依存になるわけではないのです。 とはいえ、勝手に課金サービスを利用しないようにフィルタリングをかけておくとか、生活習慣が乱れないように『食事中にスマホを見るのはやめようね』などと、各家庭で話し合い、ルールを決めておくことも必要でしょう」 スマホによって学習と遊びを両立 デジタルデバイスの活用によって、子どもたちの学びは大きな変化を遂げている。スマホやタブレットがプログラミング教育をはじめ、子どもたちの創造力や思考力を育むツールに
当時の数学者は論争を意外なものと受け止めた 「掛け算の順序問題」が最初に顕在化したのはいつだったのか。『かけ算には順序があるのか』の著書もある算数史家の高橋誠氏は、次のように説明する。 「佐藤俊太郎著『算数・数学教育つれづれ草』(東洋館出版社)によれば、1965年ごろに大阪や神戸で論争が起こったとあります。帰国子女が日本に帰国して掛け算の授業に臨み、式の順序を逆に書いたところダメと指導されたそうです。ただし、あくまでもこのときはローカルな話でした。全国的に大きな話題となったのは、72年のことです。1月26日の朝日新聞で大きく取り上げられました」 朝日新聞が取り上げたのは、大阪府松原市の小学校2年生の算数テストで出された問題だ。「6人のこどもに1人4個ずつみかんをあたえたい。みかんはいくつあればいいでしょうか」。これに対し、答えは合っていたが式を“間違えた”子どもが何人かおり、答えにはマルが
「子どもたちがこんなに振り回されたのは初めてだ」 これは、都内の小学校の校長の言葉です。 東京パラリンピックの期間、子どもたちが競技を観戦する「学校連携観戦」の対応をめぐり、大きく混乱した都内の教育現場。その現場に密着すると、教員や保護者、それに子どもたち、それぞれの抱える葛藤が見えてきました。 (首都圏局/記者 戸叶直宏) 感染4000人超の中、パラを観戦する子どもたち 8月27日、東京・渋谷区の千駄谷小学校の子どもたちが、地元の代々木体育館に入っていきました。東京パラリンピックの「学校連携観戦」のためです。 本来、楽しく学ぶための実施ですが、現場では、どことなくピリピリした雰囲気が。 新型コロナの感染が、連日4000人を超える都内での観戦。保護者からも、ためらいながらも子どもを送り出したという声が聞かれました。 この学校で観戦したのは、児童343人のうち、213人でした。 「本当に行く
「米国では分館を含め約9000の公共図書館がありますが、5年以上前から電子図書館の普及率は9割を超えています。一方、日本は電子書籍市場が拡大しているものの、公共図書館では予算不足などを理由に電子図書館の導入が遅れています。 それでもコロナ禍で電子図書館が注目されたことでやっと200館を超えました。学校図書館もこの数年で私立校を中心に50校くらい(2019年12月時点)まで利用が増え、学校を対象とした『School e-Library』など新たなサービスも注目されています」 電子出版制作・流通協議会によると、21年4月1日現在の電子図書館(電子書籍貸し出しサービス)の数は201館、前年同月比で110館増えた。コロナ禍で外出自粛が求められる中、インターネット上で本を手軽に借りられるメリットに市民が気づいて認知が拡大したほか、臨時交付金が出たことも後押しとなって公共図書館での導入が急増したとみら
新時代教育のキーマン・豊福先生と讃井康智さんの対談「アフターコロナ時代の教育クエスト」。第4回の中編では「学習にICTを使う上で大事な考え方」について詳しくお聞きします。 これからは文具としてパソコンを使うことが求められると豊福先生は言います。具体的にどう使えばいいのでしょうか? ▼前編はこちら 教具ではなく、文具として使おう 讃井 タブレットを配ったら保護者が困惑したという話もあるようです。 豊福 今まではお勉強に関係のないものでしたから、そういった反応も当然でしょう。ところが、2020年からは一人一台環境の整備がスタートし、2021年1月時点でまだ4割くらいの導入ですが、授業や学校生活での活用がすでに始まっています。 文具として使うとは? 讃井 豊福先生は、教具だけでなく文具としてICTを活用しようと提案しています。これはどういうことですか。 「文具としてICTを使うためには?」(讃井
Life is Tech(ライフイズテック)の讃井康智さんによる連載「アフターコロナ時代の教育クエスト」。ライフイズテックを起業しつつ、研究者としては教育政策や学習科学を研究し、各地の学校変革へ携わってきた讃井さんは「これからの教育は150年に一度の大きな変革期にある」といいます。 コロナで急速に高まったオンライン学習の需要。一人一台の学習用PCの普及を掲げたGIGAスクール構想が本格化し、子どもたちの学びはどう変わっていくのでしょうか。親が知っておくべきことは?家庭で大切にしたいこととは? 第4回は、国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの豊福晋平先生と讃井氏の対談から、ICT活用の学びと付き合い方について深掘りします! ICT教育の課題解決を目指す国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの豊福晋平准教授 休校から見えたICT活用の課題 学校と連絡がとれない 讃井 20
パソコンを持ち帰ったら、家でやってほしいこと 讃井 GIGAスクール構想で文科省はパソコンの自宅への持ち帰りを推奨していますが、パソコンを持ち帰った子どもたちは、家でどんな使い方ができると思いますか。 豊福 家に持って帰った際にはまず、学校・家庭の生活文脈にちゃんとつなげないと混乱すると思います。まずは学校と家庭をつなぐ日々のコミュニケーションツールとして、連絡帳としての役割は不可欠です。 日常的にメディアを使うチャンスを増やす 豊福 もう一つは、宿題をするためのマシーンにとどまらず、自分でデジタルの世界を作っていくためのツールだというストーリーを伝えておくといいですね。 自分が作ったものはデータとしてクラウド上に溜まっていきます。それをどこかのタイミングで、発表したり、まとめ直して本にしたり、動画にしたりできることを知ってほしいですね。後々お化粧して発表する機会があるという前提で、持ち帰
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