不肖ながら私が細川氏綱という人物について詳しく調べ出したのはここ数か月の話にすぎない。が、この人物の名前は10年以上前から知っている。中学の頃歴史手帳を買っていたことがあり、それには付録として室町幕府歴代執事・管領表が付属していたからだ。歴史手帳の記述では細川氏綱は室町幕府最後の管領であったため*1、「ふーん」程度の意識であった。 ただ、当時から引っかかっていたことはあった。 細川氏綱という名前である。 中学生レベルの認知でも管領細川氏の歴代の実名が頼元、満元、勝元、政元、晴元と「~元」が基本(「元」が通字)であることくらいは気付くものである*2。さらに足利将軍の歴代の実名と対応すれば満、勝、政、晴が偏諱であることも容易に想像がつく。この流れで見ると将軍からの偏諱も「元」も含まれない「氏綱」という実名は異質というほかない。同じような疑問は細川高国にも抱いたが、これは「高」が将軍足利義澄が義