鉛筆や消しゴム、乾電池など身近な工業製品の多くに「日本工業規格」は使われている。略称「JIS」。品質や性能、安全性の水準を維持するための国家規格で、規定の項目をクリアした製品は「安心」とされてきた。ところが、高知県黒潮町で「JISとは何か」を根本から問う出来事が起きているという。この町は、南海トラフ巨大地震が起きれば、高さ34メートルという国内最大級の津波が襲うと予想されている。問題となっているのは、万が一に備える「津波避難の誘導標識」の耐久性に関するJIS。町は独自の判断で試験項目の数を減らし、発注したのだという。「国家規格」をうたいながら、実はJISには法的拘束力がない。しかし、JISの試験項目を発注者が独自に減らすことができるとしたら、「安心」の保証はどこにあるのだろうか。その対象が「命の誘導標識」だとしたら————(Yahoo!ニュース編集部)
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