東日本大震災発生から49日目の4月29日、ダライ・ラマ14世が東京・護国寺で震災犠牲者のための法要を行った。 私はその日、別のチャリティ・イベントに出席することになっており、法要には行けなかったが、友人の中国語翻訳家の水野衛子さんと作家の茅野裕城子さんが参列するというので、後でリポートを聞かせてとお願いした。水野さんによれば、チベット語で読経し、英語で法話を行った。その法話の内容は既に、日本語の全訳がネットに流れている。 その励ましの言葉には、心打たれた。 「私たちチベット人は国を失った困難な状況で自分を高めることができました。日本の皆さまは第2次世界大戦で非常に多くの損害を受け、国土も多く破壊されました。さらに長崎と広島において原爆が落とされてしまったということから、たくさんの尊い命が失われてしまいました。しかし皆さま方は、そんな悲しい状況でもけっして落胆することなく、立派に立ち上った民