2月29日に、文化庁で「文化審議会著作権分科会」の第7回が開催されました。著作権の専門家によってその制度について議論をする場ですが、今年度は2023年7月より「AIと著作権」について議論されてきました。3月に文化庁から政府に報告する「AIと著作権に関する考え方について(素案)」の最終案に近いものが発表され、1月下旬から2月上旬にかけて募った「パブリックコメント(パブコメ)」の結果報告もされるということもあり、注目されました。登場したのは「AIと著作権に関する考え方について(素案)令和6年2月29日時点版」、パブコメの結果を受けて、これまでの内容に微修正が施されていました。しかし、そこからわかったのは、文化庁の一貫したスタンスでした。 文化庁 文化審議会 著作権分科会 法制度小委員会(第7回) パブコメへの反応は「素案の内容周知」 発表物から議論を集めたのが発表資料に「パブコメの結果」が追加
生成AIと著作権の考え方は──その論点を整理した「AIと著作権に関する考え方について(素案)」を公開した文化庁。1月23日から2月12日にかけて、この「考え方」のパブリックコメントも募集した。計2万4938件の意見が集まり、同庁はこの結果を反映した「考え方」の最新版(2024年2月29日版)を発表した。 この最新版では、パブリックコメントのどのような意見が反映され、どんな変化があったのか、シティライツ法律事務所(東京都渋谷区)の前野孝太朗弁護士が解説する。次の段落から前野弁護士の文章。 「考え方」の位置付けがより明確に 「AIと著作権に関する考え方について(素案)」について、パブリックコメントの結果が反映された2024年2月29日版が公開されました。パブリックコメントの対象だった1月23日版からどのような点に変化があったのかなど、2月29日版の注目ポイントを簡単に整理したいと思います。 ま
ぜんぶ翻訳 「AI と著作権に関する考え方について」への協議 CISACについて 私は、国際作家・作曲家協会連合である CISAC を代表してこの文章を書いています。 CISACは、著作者団体の世界的なネットワークとして、116カ国から225の団体が加盟しています。 CISACは、会員を通じて、音楽、演劇、文学、オーディオビジュアル、グラフィック、ビジュアル・アートなど、あらゆる芸術分野の500万人以上のクリエイターの利益を代表しています。 CISACは、「人工知能と著作権に関する協議」について、日本政府にコメントを提出する機会を得たことを嬉しく思います。 AIについて このテクノロジーは人間の創造性を高め、イノベーションを支援する一方で、クリエイターの権利や生活を脅かす存在にもなっています。 重要な問題のひとつは、テキストマイニングやデータマイニング(TDM)を含むAIの学習目的で、権利
今日、文化庁は生成AIと著作権保護についてのガイドラインとなる素案を提示しました。(2023/12/20時点。その後の状況については追記をお読みください。) 生成AIでなにが合法でどんなとき違法になるべきか、クリエイターや開発者、ビジネス系のひとなどが議論していますが、多くの生成AI周辺にいる人たち全員に関係あるガイドラインがいままさに検討されているわけです。 朝日新聞ではこう報じています。 文化庁は20日、文化審議会著作権分科会の法制度小委員会に、生成AI(人工知能)によるコンテンツの無断学習は、著作権法で著作権者の許諾が不要とされる「非享受目的」にあたらない場合があるとする「AIと著作権に関する考え方」の素案を示した。生成AIが記事や画像データなどを無断で利用する「ただ乗り」(フリーライド)に懸念の声が上がる中、現行法を厳格に解釈し、歯止めをかけたい考えだ。 朝日新聞デジタルより引用
2023年8月17日 一般社団法人日本雑誌協会 一般社団法人日本写真著作権協会 一般社団法人日本書籍出版協会 一般社団法人日本新聞協会 (※分野名五十音順) 近時、生成AIが注目を集めています。社会の様々な場面で利便性を向上させる技術として期待を集める一方で、偽情報の拡散や個人情報の漏洩を招く恐れがあるほか、著作権者の権利が侵害されるリスクが強く懸念されています。私たちは、生成AIと著作権の保護に関する検討が不十分な現状を大いに危惧しています。 現在の生成AIは、AIに学習させる大量の著作物データなしには機能しません。多くの場合、これらのデータはネット上のクローリングにより著作権者の同意取得や対価の支払いなしに収集され、その解析結果に基づきコンテンツが生成されています。日本の著作権法第30条の4が諸外国に比べ、AI学習に極めて有利に作られていることは大きな課題です。同条のただし書きでは「著
生成系AIが生成するイラストや文章などについて著作権上の課題が指摘されるなか、日本弁理士会は2023年8月4日、報道関係者を対象に「生成系AIと著作権法における論点整理」のための説明会を開催した。この問題について弁理士の立場からの見方を示すとともに、生成系AIの技術についても触れ、AI利用装置やAI利用発明に関する特許や発明などについても説明を行った。 著作権が発生しない? 生成AIをめぐる著作権上の課題を説明 日本弁理士会は知的財産の専門家である弁理士によって構成される組織で、1915年(大正4年)に設立。知的財産制度の研究と普及、弁理士の進歩と業務改善に関する各種活動を行っている。 今回の説明では、日本弁理士会で著作権委員会委員長を務める高橋雅和氏と、知財制度検討委員会の委員長を務める中尾直樹氏が解説した。 高橋氏はまず「高度な生成AIの登場により、イラストや文章などを誰でも簡単に、短
6月21日公開の、「AIに権利侵害されたらどこに苦情を言う? 『デジタル庁』が最多 日本芸能従事者協会調べ」という記事が話題になっている。日本芸能従事者協会がクリエイターを対象に調査し、2万6891件の回答を得たかなり大掛かりなレポートで、全文は公式サイトで読める。苦情の持って行き先の最多が「デジタル庁」となっていることからも、この問題の混乱が見て取れる。 アンケート前段はすでに記事になっているのでそちらをご覧いただければいいと思うが、アンケート調査のメインは、Q7の「ご自身の作品等で実際にAIに使われた事例があれば教えてください」という事例集だ。回答は2612件寄せられ、そのうち584件が掲載されている。 被害の具体例も多いが、自身の活用例も含まれるほか、「自分は被害に合ってないが~」と同業者の例を報告する例も多数含まれている。いずれにしても、今のクリエイティブ業界とAIの問題を把握する
政府の知的財産推進計画の新たな案がまとまり、生成AIによって原作に似た文書や画像が生み出され、著作権の侵害が相次ぐおそれがあるとして、どういう場合が該当するのかなど論点を整理し、対策を検討するとしています。 政府がまとめた、ことしの知的財産推進計画の案では、世界で急速に普及する生成AIについて、文献や芸術作品など著作物の原作に似た文書や画像が生み出され、著作権の侵害が相次ぐおそれがあると指摘しています。 そのうえで、どういう場合が侵害に該当するのかや、クリエーターの権利保護のあり方などについて、論点を整理し、対策の検討を進めるとしています。 一方で、生成AIの活用で創作活動が効率化する側面もあることから、どのように技術を進展させていくかという観点も合わせて議論していく考えです。 また、デジタル化の促進で、アニメや音楽などのコンテンツづくりが成長産業の中核になるとして、国際的な販売力の強化に
内閣府が公開している資料「AIと著作権の関係等について」がTwitterで話題になっている。文化庁が制作した資料で、5月15日に開催した内閣府のAI戦略チームの会議で使用されたもので、AIと著作権に関する現行法での見解などをまとめている。6月3日頃からTwitter上で話題になっており、AIに詳しい弁護士も「かなり踏み込んだ内容」と見解を述べている。 同資料では、著作権の役割は「『思想又は感情を創作的に表現した』著作物を保護するもの」と指摘。データ(事実)やアイデア(作風や画風)は著作物に含まれないという。 この上で、AIと著作権の関係は「生成・利用段階」と「AI開発・学習段階」を分けて考えるべきと説明している。AIが生成した画像などを公開したり、そのイラスト集を販売したりする場合は、通常の著作権侵害と同様の法が適当される。AI画像と既存の著作物との類似性や依拠性(既存の著作物を基に創作し
著作権セミナー 著作権制度について学びたい方を対象に、下記のとおり著作権セミナー「AIと著作権」を開催いたします。 詳細については、チラシをご確認ください。 開催期日 :令和5年6月19日(月)14:00~15:00 方式 :YouTubeによるライブ配信(限定公開) 申込期間 :お申し込み受付は終了いたしました。 受講料 :無料 定員 :なし 対象者 :著作権について学びたい方(どなたでも参加可能です) ※申込み完了後、入力されたメールアドレス宛に自動返信メールが届きます。 迷惑メール対策などで「ドメイン指定受信」、「パソコンからのメール受信拒否」等の設定をされている場合、当サイトからのメールが届かない場合があります。 メールが届かない場合は「bunka-chosakuken.jp」ドメインからのメールを受信できるよう、許可設定をお願いいたします。
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