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ブックマーク / goldhead.hatenablog.com (25)

  • 祖母の火葬式 - 関内関外日記

    goldhead.hatenablog.com 祖母が死んだ。 人間は死んだらどこに行くのか。その答えについて基的な仏教ならば「無記」の二文字で足りるかもしれない。そして、いろいろな宗教や思想によってその答えは千差万別であろう。 しかし、死んだ人間の死体はどこへ行くのか。その答えについては形而上的に済ますわけにはいかない。不幸にして死体が見つからない、というケースもあるだろう。しかし、ここで取り扱うのは病院で死んだ96歳の人間の死体はどこへ行くのか、という極めて具体的なケースである。 具体的な話として、まず病院の霊安室に運ばれる。そして、葬儀社によって死体を安置する場所へ運ばれる。そして、しかるべき手順を経て、死体は火葬される。 しかるべき手順……。ここは現実的にもいくつかの答えがあるだろう。お通夜をする、お葬式をあげる、など。しかし、祖母は通夜も葬式も一切不要と言い切っていた人間である

    祖母の火葬式 - 関内関外日記
    yotinakk
    yotinakk 2019/09/28
    “きちんとシートベルトをした祖母”
  • わいせつカー工場の町 - 関内関外日記

    アメリカの片田舎を絵に描いた。絵の中に私はいた。そんな気になった。その小さな町のはずれに、やはり小さな工場はあった。「ハイ・オン・ディーゼル&ガソリン・モーターズ」と看板にあった。工員が古いビュイックの下に潜り込んでなにか作業をしている。 「こんにちは。お仕事中すみません、"魂の駆動体"についてお話を伺いたいのですが」と言う。 老人がビュイックの下から台車を滑らして出てきた。頑固そうな白人の老人だった。 「ちょうど休憩にしようとしたところだ。奥の事務所へ行こう」 そして、私ははるばる太平洋をわたり、カーの話、猥褻カーの話を聞くことができたのだった……。 「あれは……デトロイトの連中がおたくの国のカーをハンマーで叩き壊しているころだったか。あんた、どんなに怒っていても、カーに関わる人間が、カーにあんなことしちゃあいけねえよ。ま、そんなときにおれは思ったんだ。この国の人間が日のカーを選ぶんだ

    わいせつカー工場の町 - 関内関外日記
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    yotinakk 2018/05/16
  • おれたち貧乏人は砂糖玉で病気を治す練習をするだけだ - 関内関外日記

    まだこの世の名残があって、光らなくなった灯台の下にいたんだ。あたりいちめんに少し背のたかい草が生えていて、その中からぼくはたんぽぽのしっぽをさがす仕事をしていたんだ。 日が暮れたら仕事はおしまい。ぼくはセンターに帰る。たんとうのおばあさんに、たんぽぽのしっぽをわたすと、かわりにうすい空色の砂糖玉をもらえる。それでぼくは、ぼくの双極性障害がよくなると知っている。 でも、その日は、ちがったんだ。ピンク色の砂糖玉をおばあさんがわたすんだ。 「これじゃあ、ぼくの病気、よくならないよ」とぼく。 「あのねえ、これも同じだけよくきくから、かまわずにお飲みなさい」とおばあさん。 それで、ぼくはピンク色の砂糖玉を飲んだんだ。だんだん気が遠くなっていって、そこかしこに花がさくのが見えたんだ。ぐるぐる世界がまわって、ぼくは久しぶりにお酒を飲んだような気分になった。そしてそのまま、二度と目を覚まさなかったんだ。

    おれたち貧乏人は砂糖玉で病気を治す練習をするだけだ - 関内関外日記
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    yotinakk 2018/02/28
  • 新社会人に贈ることば - 関内関外日記

    金のない人間の一生は長い妄想の中の長い失意にすぎず、人は何かを知ろうにも何かから解放されようにも、そいつを所有してなきゃ適わないことなんだ。 セリーヌ『夜の果てへの旅』 よう、新社会人。就活とかいう地獄を勝ち抜いてきた戦士たち。だからって、そこはゴールじゃねえよ。スタートでもない。いつでもおれたちはだいたい死んでるんだ。一部の金持ちとかいう種族を除いたおれたちは、○と×のドアじゃなくて、絞首刑台へのドアか、ギロチンが用意されてるドアかの二択だ。その二択を延々と開きつづけるだけのことだ。昔の絞首刑は首の骨を外すやり方じゃないから、三十分とか吊るしつづけることもあったらしいぜ。それで、死んだとなったら解剖目的で医者に死体を売りつける業者と家族で奪い合いになったりしたんだとか。おまえの死体に価値があるのか? そもそもおまえに価値があるだろうか。 言うまでもないことだが、おれは価値のない人間であっ

    新社会人に贈ることば - 関内関外日記
  • 【実録】これが大学中退者の末路だ! - 関内関外日記

    こんな記事が話題になっていた。 www.ishidanohanashi.com おれも物心ついたときからなにも考えず、「将来は灰色のスーツを着たサラリーマンというものになるのだろう」と漠然と思い浮かべて生きていた。ただ、サラリーマンになるにもそれ相応の学歴なども必要だろうから、という理由で塾に通い、中学受験をしたりした。神奈川県にはア・テストというものがあって……という理由をいちいち説明しないが、算数、数学、そして音楽や体育という実技から逃げるための中学受験という面もあった。おれは自分が想定していた中で最低のすべり止めの二次試験になんとか合格した。そこにも落ちていたら、地元の荒れ気味な公立中に通い、また別の人生を歩んだだろう。 それから6年間、おれは漠然と中高一貫の私学に通った。そして、大学に入り、灰色のサラリーマンになるために。男しかいない学校だった。高校3年になってからは、予備校にも通

    【実録】これが大学中退者の末路だ! - 関内関外日記
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    yotinakk 2016/09/17
  • 法の根拠って? 『キヨミズ准教授の法学入門』を読む - 関内関外日記

    キヨミズ准教授の法学入門 (星海社新書) 作者:木村 草太星海社Amazon おれはなんにも知らない。知らないことが多すぎる。なんでも知らないわけじゃなく、知らないことだけ知らないのだが、いずれにせよ知らないことは知らないことである。 とくに生きていて知らないな、と思うことをいくつかあげれば、法律であり、政治であり、経済である。よくもまあこんな重大なことを知らずに生きてこられたな、と思わずにはおられない。とはいえ、できれば知りたいことではある。18世紀におけるオランダのプラントハンターのことや、量子力学について知りたいとは思わないが、このあたりの大まかなことについてだいたいの知識を得たいという心はある。 そこで手にとったのが『キヨミズ准教授の法学入門』である。なにかネットの記事を読んでいて、おすすめのとして自著を文中にするりと紛れ込ませていたのが面白かったので手にとってみた。どうも中高

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    yotinakk 2016/02/09
  • おれとヤクザの思い出 『潜入ルポ ヤクザの修羅場』を読む - 関内関外日記

    潜入ルポ ヤクザの修羅場 (文春新書) 作者: 鈴木智彦出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/02/17メディア: 新書購入: 3人 クリック: 105回この商品を含むブログ (22件) を見る おれとヤクザの話をしよう。あるいはもう何度も書いてきたかもしれない。おれの生まれ育った鎌倉の家と土地は、親の商売の破綻により、手放すことを余儀なくされた。手放すさいに、その仲介を請け負ったのが在日韓国人で表の商売は不動産屋をしているヤクザだった。その人を紹介してくれたのは知り合いの警察官だった。母親はそのヤクザに会い、心底同情してくれたといい、取引を任せる気になっていた。おれは母親に土下座して「そんな得体のしれないヤクザに頼るのはやめてくれ」と言った。しかしおれはそのころ、ただのひきこもりニートだった。結局、家と土地の処分はヤクザに任された。結果として、それは成功に終わった。とりあえず

    おれとヤクザの思い出 『潜入ルポ ヤクザの修羅場』を読む - 関内関外日記
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    yotinakk 2016/01/29
  • 『気分はもう戦争』を読んだ - 関内関外日記

    気分はもう戦争 (アクション・コミックス) 作者: 矢作俊彦,大友克洋出版社/メーカー: 双葉社発売日: 1982/01/24メディア: コミック購入: 2人 クリック: 32回この商品を含むブログ (84件) を見る ゴールデンウィークに買って読んで、連休終わってネット見てみたら大友克洋がどうのというのがネットで話題になっていた。 「AKIRA」は駄作!? 既成概念をぶっ壊してきた名作は、時代を超えて”普通”になる現象 - トゥギャッチ まあおれは『AKIRA』を読んで……といってもリアルタイムからは隔たっているが……たいへん夢中になったなあ、としか言えんのだけれど。 で、『気分はもう戦争』なのだけれど、これは正直いまいちピンとこなかった。作品全体を貫く時代のノリのようななにかに気分がマッチしなかった。なんだろうね、時代のね。そりゃまあおれが生まれてまだ言葉もわからないころの漫画だ。おれ

    『気分はもう戦争』を読んだ - 関内関外日記
  • 岩明均の漫画体〜『七夕の国』を読む - 関内関外日記

    七夕の国 (My First Big SPECIAL) 作者: 岩明均出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/11/28メディア: ムックこの商品を含むブログ (2件) を見る ふとコンビニの漫画棚で見つけて手にとった。アニメ『寄生獣』がおれの中では好評のうちに終わったこともあるし、『ヒストリエ』の新刊が出るにせよ、きちんと終わるのかというのが頭にあった、というのもある。おれは『七夕の国』を読んでいなかった。果たして、それが時代物なのか伝奇ものなのかなんなのかさっぱり知らないで買った。買ってみて、読んでみて、読みきってみて、非常に満足した。そして、このコンビニ売りの表紙に書かれたキャッチコピーが的を射ているな、などと感じた。それは次のごとくである。 アイディアと大局観。 殺気と呑気。 そして、 卑近とスケール。 岩明漫画の エッセンスが凝縮!! まあ、マンガ好きならとっくに読んでいる

    岩明均の漫画体〜『七夕の国』を読む - 関内関外日記
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    yotinakk 2015/04/29
  • 激増する躁うつ病ラーメンが獣臭いブックマーカー 「獣臭いラーメンと人間関係に疲れた」 - 関内関外日記

    「もう獣臭いラーメンは見たくない。見ることに疲れたし、おすすめタグも壊した。おまけに人生も辞めることにしました」 そう語るgoldheadさん(30代)は、元ラーメンが獣臭いブックマーカーだ。かつては仕事をさぼって毎日ニュースサイトを放浪し、年間500ブックマークしていたことも。そして獣臭いラーメンオタク(3人くらい)の間でも一目置かれていた存在だった。しかし、あることをきっかけに精神的不調に陥り、躁うつ病と診断され、現在は務めていたDTP系の会社を休職できたらいいなと思っているという。 「会社の飲み会の席で『goldheadさんって獣臭いラーメンに詳しいんですよね』と女の子たちに聞かれて、僕のおすすめニュースを教えてあげたんです。最近のトレンド、人生をかけている人柄、はてなスターを貰える率など様々な側面を考慮して、女子向けのいいニュースをです。またゼロ年代からのラーメンが獣臭いビッグウェ

    激増する躁うつ病ラーメンが獣臭いブックマーカー 「獣臭いラーメンと人間関係に疲れた」 - 関内関外日記
  • すばらしいポルノ遊星 - 関内関外日記

    すばらしいポルノ・ガールが淫猥なフォルムのポルノ・スポーティ・カーで街をポルノ・スピードで突っ走る。エンジンからは甲高いポルノ・サウンド。淫らな夕日に照らされた猥褻型ポルノ・ビルからは日々のわずかなポルノ・マネーを得たポルノ・マンやポルノ・レディがとぼとぼとポルノ歩きで吐き出される。 ポルノ・ガールはビッグ・ポルノ街を後ろに、いやらしい形をしたポルノ山にあるポルノ湖畔を目指す。坂道、猥褻な形のポルノ・シフトを握る。乱暴にギア・チェンジする。ポルノ・スポーティのポルノ・エンジンは甲高いポルノ声を響かせる。ポルノ・スピードはポルノ・メーターを振り切る。 流れていくポルノ景色。横手にポルノ湖畔のポルノ遊園地が見える、ポルノ観覧車が見える。ポルノ遊園地ではポルノ・ネズミやポルノ・ダックが淫猥なショーを繰り広げている。エレクトしたポルノ・パレードの時間も近い。 ポルノ・ガールはひとけのない湖畔のポル

    すばらしいポルノ遊星 - 関内関外日記
  • おれが世界になにをしたというのか - 関内関外日記

    10月までは生きねばならない、などと書いた覚えがある。 その10月が来てみれば、なるほど文字通りであった。もう少しで生活が終わりそうだ。 書いたことは当になる。ゆめゆめご注意を。 して、なぜおれが死ななければならないのか。そう言いたくなりもする。おれはそれほど深い悪を為してきたのか。ひどい害をこの世界に与えたのか。人の一人も殺しちゃいない。それなのにおれは自死せねばならない。 かといって、おれは怒ったり嘆いたりしない。もはやおれの瞋恚というようものは薬で消え失せている。ただ、問いばかりが内へ向い、内へ向い。 内へ向かったところで、なんども通り過ぎた道をたどるだけだ。 おれはおれが生きるに値すると踏んでいるが、世界は生きるに値しない。あるいは世界は生きるに値するかもしれないが、おれはおれが生きるに値すると思っていない。同じことだ。 人間とかいう種がその生き残りをかけるために多様性を維持し続

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    yotinakk 2013/10/03
  • 富士総合火力演習(予行)へ行くのこと - 関内関外日記

    平成25年度富士総合火力演習(予行)行きのチケットがひょんなことから手に入った。(予行)とはいえ、だいたい番と構成は同じだし、入手困難なものらしい。行くしかないだろう、ということで行ってきた。 ということで、あとはこのエントリー、安い300mmにデジタルズーム使った写真がひたすら並ぶことになる。と、その前に、初めて総火演(予行)に行った経験から、初めて行く人へのアドバイスなど生意気にもメモしておく。 早めに行ったほうがいい(けど運次第) 現地到着(駐車場券あり)7時で、これは来遅めらしいが(予行)ということもあってわりと早め。駐車場からシャトルバスで現地についてみたら、まだD・Eスタンドが空いており、誘導に従ったら上から三段目の高さの席になった。早めに来た人は、スタンド席に行くか、シート席の最前列狙いのいずれかなので、ともかく早めがいいんじゃないのだろうか。個人的な想像だと、シート席後

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    yotinakk 2013/08/22
  • スク水漁の村 - 関内関外日記

    スク水漁の村 ぼくはスク水漁の村に生まれた。村の男たちのほとんどはスク水漁師で、女たちはその加工をして暮らしていた。毎年、ノウゼンカズラの花が咲き始める季節になると、男たちは早朝から喜び勇んで船を出し、たくさんのスク水をとって帰ってきた。夕方、女たちは自分の亭主や父親の船を見つけると、急いで駆けつけてスク水を加工小屋に持ちはこんだ。スク水は天然の生ものがいいという人もいるけれども、村人たちはあまり生を好まなかった。新鮮なスク水を伝統的なやり方で仕上げてこそだという誇りがあった。ぼくが生まれ、育ったのはそんな村だった。 スク水漁の歴史 この村で何時頃からスク水漁が行われているか、正しく知っているものは一人もいなかった。ただ、親のその親の、そのまた親の……ずっと昔からこの村はスク水とともにあったのだと、だれもが信じていた。豊かな海と、太陽の光をあびてキラキラとかがやくスク水が、すなわちこの村そ

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  • わいせつ石こうの村 - 関内関外日記

    わいせつ石こうの村 ぼくの産まれ育った村は、わいせつ石こうの村だった。ぼくの父さんも、おじいさんもわいせつ石こう職人だったし、村中でわいせつ石こうに関わらない人なんていないくらいだった。型どり師から行商人、いろいろな人がいたけれども、それぞれにわいせつ石こうの村の人間だという自負を持って生きていた。とうぜん、ぼくも将来は立派な石こう職人になるものだと思っていた。 わいせつ石こうの歴史 この村がいつごろできたのかははっきりしない。あるものは、豊臣秀吉が朝鮮に出兵した際に連れ帰ってきた職人が作ったといい、あるものは、仏教伝来のさいに渡来した仏像師たちの中から、わいせつ石こう造りに目ざめた一派が作ったという。日に漂着したポルトガル人の末裔だと信じる一家もいたし、また、スウィフトの『ガリバー旅行記』の中に記述があるだとか、マルコ・ポーロが言及しているとか、いろいろなことを言う人がいた。父さんはイ

    わいせつ石こうの村 - 関内関外日記
  • おれは卑屈な人間が嫌いだ - 関内関外日記

    おれは卑屈な人間が嫌いだ。謝られる場面とも思えないのに謝られると、「謝られる筋合いはないと思いますが」と口に出すことすらある。おれは人間の卑屈さが嫌いだ。彼ないし彼女を卑屈にさせてしまったなにかを憎む。逆に尊大であれば好ましいということではない。とはいえ、筋違いの卑屈さに比べれば、すべての人間が尊大であってその尊大さが対等であるような状況のほうが好ましい。すべての人間が等しく卑屈であるよりも、すべての人間が等しく尊大であって、その尊大さの根拠も、彼ないし彼女をそうさせたなにかも、同じく必然的であって不自然でないようなものであればすばらしい。おれは卑屈な人間が嫌いだ。おれの卑屈さも嫌いだ。だからおれはおれの尊大さをほんの少しでも探したいと思う。おれは人間の卑屈さが嫌いだ。

    おれは卑屈な人間が嫌いだ - 関内関外日記
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    yotinakk 2013/06/04
  • ユニクロの社長は愛を語らない - 関内関外日記

    http://www.asahi.com/business/update/0423/TKY201304220465.html ――付加価値をつけられなかった人が退職する、場合によってはうつになったりすると。 「そういうことだと思う。日人にとっては厳しいかもしれないけれど。でも海外の人は全部、頑張っているわけだ」 世界は均質化していく。日という国が地政学的な(?)ボーナス・ステージである高度経済成長を終え、もはや日人であるだけで安穏と富をむさぼれる時代ではない。技術進歩(技能の集約化? 少数化?)で、ごく少数の金持ちと、佃煮にして煮るほどの貧乏人に分かれる。おれはおおよそこのユニクロの社長の見る世界と同じような世界を見ているように思える。おれがコルナゴのACEでサイクリングしながら、ソニーのα65で写真を撮っていられるのも、あと少しの間だけだ。 そうだ、おれは佃煮の人間で、そこが柳井正

    ユニクロの社長は愛を語らない - 関内関外日記
  • おれが東名高速の防音壁に塗り込められてから - 関内関外日記

    おれが東名高速の防音壁に塗り込められてから、どのくらい経つのだろう。頭はどこかにいっちまったが、どうやら服を着ている胴体の方が人間の魂の在処だということらしい。もしもおれが人間だとすればの話だが。 それにしてもおれがこの東名高速の防音壁に塗り込まれる前、まだ両肩の間に首が生えていて頭があったころ、まだかろうじて頭があったころ、あの最後の日というのは忘れがたい日だった。胴体と頭を切り離されて東名高速の防音壁に塗り込められる人間にとってはだいたいそうなのかもしらんが。 そうだった、おれは女子中学生にダイコン畑から引き抜かれたのだった。おれはまったく無力で、無抵抗だった。女子中学生に力をふるったり、抵抗したりするなんて、とんでもない話じゃないか。 それでおれはどうされるのかとどきどきしていると、「ダイコンのくせにどきどきしているよ、こいつ!」などと罵倒された挙げ句、道路に転がされたんだった。 お

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    yotinakk 2013/04/24
  • 美談にだって冷や水ぶっかける所存で - 関内関外日記

    冷や水なんて生ぬるい、うんこ水だってぶっかける、少なくともおれはそういうつもりでネットをやっている。すさんだ人生を歩み、過去にいい思い出もなく、今も最低の気分で、将来は自死か路上か刑務所だ。そういう人間が、ここにいるからだ。そういう人間がそういうことをしなくて誰がする。浄化なんかされてたまるか、同調圧力に屈したりするものか。惨めな怨嗟、愚かしい嫉妬、負の品揃えなら豊富だ。ぶっかけてやろう、これに繋がっているかぎりは。そういうやつが少なくともここに一人はいる。上にどれだけの人間がいて、横にどれだけの人間がいて、下にどれだけの人間がいるかなんて知りはしないし、知るつもりもない。ただ一人のおれ、言えることはこれ、だれも覚悟する必要も気をつける必要もない。安全ピンのピンの一突きもとどきはしねえだろうけど、それでもぶっかけてやりたいんだ。わかるやつは死ね、わからねえやつも死ね。そんだけだ。

    美談にだって冷や水ぶっかける所存で - 関内関外日記
    yotinakk
    yotinakk 2013/04/10
  • おれに比喩が必要か - 関内関外日記

    おれに比喩が必要か おれは目に見えたものだけを語るから おれがわからぬことについては黙るから おれに比喩は必要か おれが語る言葉に目に見えないものが含まれていた おれの語らなかった言葉の裏のあえて語られなかったもの おれの比喩は必要か おれが語る言葉にだれかが耳をかたむけた おれの中にはおれにしかわからない何かがあった おれに比喩が必要か おれは言葉をかたるから おれが言葉を信用していないから おれに比喩は必要か

    おれに比喩が必要か - 関内関外日記
    yotinakk
    yotinakk 2013/02/21