【ロンドン=木村正人】欧州債務・金融危機がくすぶり続ける中、単一通貨ユーロの番人、欧州中央銀行(ECB)の3代目総裁に1日、マリオ・ドラギ伊中央銀行総裁(64)が就任した。3日には初の定例理事会に臨み、金融政策などを協議するが、ギリシャが突然、危機収束のための包括戦略を国民投票にかけることを打ち出すなど、就任早々、難題に直面することになる。 欧州連合(EU)やユーロ圏首脳が包括戦略を協議している10月26日、ドラギ氏は「ECBの非標準的手法が通貨や金融市場の機能不全を防いでいる」とECBによるイタリアやスペインの国債購入を継続する考えを示唆した。トリシェ前ECB総裁の送別会ではメルケル独首相やサルコジ仏大統領と話し込むなど巧みな外交術も見せた。 財政規律を重んじるドラギ氏はインフレファイターとしても知られる。新総裁として名前が浮上した際、独大衆紙ビルトは「ドイツ人よりもドイツ人らしい中銀マ