地区独自の津波防災策を模型にする住民。「防潮堤はいらない」との結論にたどりついた=7月31日、気仙沼市本吉町の前浜マリンセンター 海抜9.8メートルの巨大防潮堤建設が計画されている気仙沼市本吉町前浜地区の住民が、津波防災を考える勉強会を重ねている。住民たちが率先して意見を集約し「防潮堤はいらない」との結論にたどりついた。地区独自の津波対策を行政に要望し、住民主導のまちづくりを進めるのが狙いだ。 「防災減災を考える意見集約会」と題した9回目の勉強会が7月31日夜、前浜マリンセンターであった。住民約15人が地区の津波対策模型を作るため、発泡スチロールを削ったり、色づけしたりしていた。 前浜地区は漁港に向かって半すり鉢状の地形で、東日本大震災の津波で38世帯が全壊した。住民がまとめた津波対策では、漁港に防潮堤は造らず、すり鉢状になった斜面に盛り土して津波の防御壁を造る計画だ。 会社員佐藤俊