ウソのようなホントの話が好物なのだが、本書はその逆。つまりホントのようなウソの話。それゆえ厳密にノンフィクションなのかと問われると苦しいところだが、そこは見逃してほしい。 紹介されているのは、日用品やビジネスツールといった道具の数々。だがこれら全てが「パラレルワールドからの御土産品」という設定なのである。現実世界のものと一見同じに見えるのだが、よくよく見ると微妙な違いがある。しかもそこが、そこはかとなく可笑しい。 進化の分岐点において、明らかに力の入れどころを間違えてしまった道具たち。「どうしてこうなった?」と問いかけずにはいられない逸品の数々を紹介していきたい。 * パラレルワールドを代表する定番ガジェットーーそれが「異Pod ANALOG」。デジタル化技術の結晶、その全てをレコード盤を回すことに注ぎ込んだ。あちらの世界で、若者たちが手に持ちながら街を闊歩している様子が目に浮かぶ…わけは