上方の熱盛りそば $ 「大阪・上方の蕎麦」 大阪のそば屋に入ると、今も「熱盛りそば」を品書きに入れているところが多い。全国的にみてもごく限られた地域にしか残っていない、かつての味を大切にしている浪花のそば屋の心意気のようなものを感じる。 知る限りでは「なにわ系」のそば屋で、たいていは「せいろ」と称していて普通盛りを「一斤(いっきん)」、大盛りだと「一斤半とかイチハン」などとなっていて常連客には根強い人気がある。 現在の大阪で熱盛りを扱う店の最右翼となると、やはり、元禄8年(1684)創業という堺市宿院の「ちく満」で、かつて蒸籠で蒸した「なにわの蕎麦」の歴史の一端を今に伝える店だ。ふた付きの白木のせいろに湯通しされた温かいそばが盛ってあって、生卵を溶いた中に熱々の蕎麦つゆを注ぎ入れた椀につけて食べる。 この他でも、北区ではお初天神