「脅しには屈しない」 安倍晋三首相は政権発足後、民主党政権の軟弱体質で中韓露などに押し込まれていた日本の外交を立て直すため、周囲にこう語っていた。 その決意の表れの1つが、政府が策定作業に着手した無人機への対処方針だ。 国籍不明の無人機が領空侵犯し、国民の生命や財産に危害を及ぼす可能性がある場合は撃墜の対応も視野に入れている。 「撃墜」という言葉を聞くと、何か過激なイメージをもつ人もいるかもしれないが、「武力衝突を未然に防ぐ有効な手段の1つ」(政府関係者)でもある。 一般の有人航空機の領空侵犯に対しては、航空自衛隊の戦闘機などが緊急発進(スクランブル)し、無線や警告サインを通じて領空からの退去や着陸を求める。 しかし無人機となれば、空中での無線や警告サインが機能しない可能性が高い。その無人機が住宅街や原子力発電所、石油化学コンビナートなどに墜落すれば、甚大な被害を及ぼす可能性があるからだ。