韓国の旅客船セウォル号沈没事故で、運航会社の清海鎮海運が、改造の結果同船の重心が上がり、不安定で危険な状態になったことを隠して、売却交渉を行っていたことが13日、分かった。合同捜査本部の関係者が明らかにした。 捜査本部関係者によると、清海鎮海運は3月に船舶の売買サイトに同船を約1600万ドル(約16億4千万円)で売ると公示。事故直前の4月初旬からフィリピンの買い手と交渉を始めたが、改造で重心が上がった事実は一切伝えていなかったという。 韓国海洋警察などによると、同社は2012年に中古で船を購入後、5階客室を増築するなどし、船体重量が建造時より800トン以上増加。船の重心が51センチ上がり、不安定さが増したため、積載可能な貨物の重量が改造前の半分以下の約980トンになった。しかし同社はこれを無視して過積載運航を常態化させたことが分かっている。(共同)