料理研究家の土井善晴さんが話す「一汁一菜」とは、毎食の献立は「ご飯と味噌汁さえあればよい」という考え方だ。一汁一菜とは「汁飯香」。「香」とは漬物を指すが、いわく「ご飯を食べるための塩気であり、必ずしもなくていい。ご飯におかずの一品は、味噌汁を具沢山にすれば、味噌汁がおかずの一品を兼ねるので、それでOK。何か塩気が欲しいと思えば、ご飯に味噌をのせて食べればいい」。
ブレイディみかこさんの『両手にトカレフ』は、中学生のミアを主人公にイギリスの子供の貧困を描いた作品です。これまで自身の視点からノンフィクションを書いてきたブレイディさんが手がけた初の長編小説は、自身の視線、立場に一番近い母親について、その名前を含めてほとんど描かれていません。「実は初期の頃はちょっと入れてたんですが、ばっさりカットしました(笑)。物語が散漫になってしまうのもあるけれど、大人の視線で書き始めたら言い訳になってしまう気がして」。大人にもこういう事情があるんだから、貧困は連鎖してるんだから、私も辛いんだから……そういう言い訳をしながら、社会から目を背けてはいないか。これは母親に限った話ではなく、辛くてもひと踏ん張りして子供を守ることこそ、大人の役目ではないかと、ブレイディさんは語ります。 貧困層の託児所で見た子供たちの日常は、 軽いエッセイに描けるものじゃなかった ブレイディみか
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