<本コラムのポイント> 「ワークス1万人調査」によれば、就業者、正社員ともに大多数が仕事以外に重要な役割があり、約半数で役割が3つ以上であるように、働く人の多くはマルチロール(多重役割)を担っている。 マルチロールは30~40代で多いものの、性別や年齢階級にかかわらず複数の役割を担う人が多数を占める状況は変わらない 全体として、仕事以外に重要な役割を担う場合に、生活満足や仕事展望も高まる傾向にあるが、役割が4つ以上になると疲労・ストレスが急速に高まるため、ライフキャリアの充実という点からは、望ましい役割の担い方を考えることも重要だ 働く人が多様な役割を担う時代 これまでの日本社会では、戦後に定着した雇用社会化や日本型雇用の浸透のなかで性別役割分業が定着してきたこと、企業で正社員として働く場合には長時間労働や転勤などにコミットする必要があったこと、副業や仕事に直接関わりのない学び、ボランティ